CGMサービス淘汰の時代
SNS、口コミサイト、投稿サイト…ユーザーがコンテンツを作りあげることで形成されるCGMサービスがここ数年で数多く誕生し、消えているのは周知の事実だ。
そうしたCGMサービス戦国時代の中で生き残るためにはどうすればよいのか? 「MarkeZine Day 2008」Bトラックの最後を務めるパネルディスカッションには、ネット上でひときわ存在感を放つ「pixiv」「ニコニコ動画(夏)」「@cosme」の運営元が登壇。「行列のできるCGMサービスの作り方」と題し、意見を交換した。
モデレーターはネットワークやビジネス関連の著作を数多く執筆、ブロガーとしても知られる徳力基彦氏が務めた。なお、今回のパネルのお題は「Markezine」読者から寄せられた質問によって構成されている。
4氏の詳細なプロフィールはこちらから確認できます。
人が集まらない。どうすればいいのか?
まず、口火を切ったのは、イラスト投稿を中心としたSNS「pixiv」を運営する片桐氏だ。「pixiv」を簡単に紹介すると、2007年9月10日にオープンした「イラスト特化型SNS」サイトだ。
2008年8月24日のリリースでは、1日あたりのPVが1000万PVを超えたと発表。現在、月間3億PVに迫るサイトへと成長している。(関連情報:サービス開始からわずか1年で月間3億PV確実「pixiv」急成長のワケ)
「サイト内に日記機能がないので、みんなmixiなどの外部のSNSで『こういうサイトがある』と書いてくれて、それが口コミになって拡がったという部分があります。また投稿されたイラストの描き手が、他のところで貼ってもいいと承諾した作品は、他のサイトに貼られるとそこがこちらへの流入口になるという効果もあります」
イラスト愛好家の特性として、描き手はほぼ自分のサイトを持っているため、そこに「pixiv」のリンクバナーを貼ってもらうことも、新規ユーザーの流入を促す効果があるとのこと。
また「ニコニコ動画(夏)」の杉本氏は、「『2ちゃんねる』とは主宰者が同じなので、『2ちゃんねる』でのうわさ話ベースで最初は拡がりました。内部からの仕掛けとしては、この手のサービスとしては例外的なユーザー課金を始めたり、『Youtube』から接続を断られたりといった、周りが喜んで騒ぐようなネタを意識的に流したというのはあります」という。
また「ニコニコ動画(夏)」の場合は、途中からログイン制を導入したことが、かえってサービスに隠ぺい性を与えて「中を見てみたい」という人を増やした面もあるようだ。