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スマートフォンのエコシステムが拡大している“今”というタイミングを逃してはいけない
― Googleモバイル広告部門トップTemsamani氏独占インタビュー


 今年から新たに1つの事業部として編成されたGoogleのモバイル広告部門。6月某日、全世界のモバイル広告部門を統括するKarim Temsamani氏が来日。同氏への独占インタビューが実現した。グローバル市場におけるモバイルのトレンドや広告活用のヒント、同社のモバイル広告ソリューションの方向性、AdMob統合による影響などについて聞いた。

スマートフォンが伸張している状況をどのように見ていますか?

 重要なポイントとしては、“どこでも・いつでも情報にアクセスできる”というスマートフォンならではの機能が大きいと考えています。

 例えば、「出先で場所を探したい」といった経験が、誰しもあるのではないでしょうか。旅行に行く、旅行先で何か情報を探す、あるいは初めて訪れる国で目的地までの道を探す。日本にいる私が、今まさに置かれている状態です。そういう時には、GoogleマップやGoogle翻訳を使って、場所やその土地ならではの商品を探すことができます。これは“ポケットの中に(スマートフォンという)スーパーコンピューターを入れている”と言える状況の一端を表していると思います。

 ここで私が強調したいのは「スマートフォンを持っているということは、それによって、ユーザーは常に問題解決ができる状況にある」ということです。結局、ユーザーの抱える問題をスマートフォンが解決してくれるからこそ、これまでにないほどの勢いでスマートフォンの普及率が増えていると言えるのではないでしょうか。

 世界中に様々なテクノロジーがありますが、スマートフォンの技術は世界最速で成長している技術です。過去のどのような技術と比べても、最速で成長しているとも言えます。スマートフォンによるWebへのアクセスは、Webが登場してデスクトップPCからのアクセスが始まった10年程前の状況と比較しても、約8倍のスピードで成長しています。

 モバイル端末は現在、ますますスマートフォンへと移行している状況です。モバイルからの検索数は、過去12カ月で4倍に増えています。また、今年の年末までに、アメリカでは人口の約半分がスマートフォンを携帯するようになるという予測もでています。新興国ではデスクトップからの検索よりも、モバイルからの検索の方が既に上回っています。

 日本は、特にモバイルに関して他のどの市場よりも先行してきました。例えば、これまでのi-modeなどに代表されるWAP端末もしかりです。そして、スマートフォンにおいても、急速に他国に追いつきつつある状況です。この先、日本ではスマートフォンが非常に速いスピードで伸びていくだろうと見ています。

Google Inc. Global Head of Mobile
Karim Temsamani氏
Google Inc. Gloval Head ob Mobile Karim Temsamani氏

モバイル広告において、Googleはどのように対応していくのでしょうか?

 Googleではグローバルレベルで、主に3つの原則に基づいてモバイル広告への対応を進めていこうと考えています。

 1つ目の原則は「シームレス(seamless)」です。日本語の概念でどう表現すればよいかは難しいですが、広告主・サイト運営者がデスクトップで行っていたことを、いかに簡単にモバイルでも実現できるようにするかということです。例えば、サイト運営者に対しては、デスクトップで配信した内容とモバイルで配信する内容を、いかに簡単にシームレスにつなげていくか。広告主に対しては、デスクトップのキャンペーンとモバイルのキャンペーンを、いかに簡単に効果の確認や両者の比較ができるようにするか。

 さらに重要なのは、あくまでもインターフェイスはワンストップで実現するという点です。広告主の方々には、通常、Google AdWordsを使って広告を運用していただいていますが、モバイルの場合でもAdWordsを利用していただき、キャンペーンの結果を確認できるようにする。1つのインターフェイスで両方のキャンペーンを運用・確認できるのが重要だと思っています。それが、シームレスということです。

 2つ目の原則は「インクルーシブ(inclusive)」(包括的などの意)。例えば、広告用に1つのクリエイティブを作ったとします。しかし、モバイルの場合、1つのクリエイティブ・フォーマットだけでは十分ではありません。検索連動型広告、ディスプレイ広告、さらにアプリ内広告など、さまざまなフォーマットがあります。また、AndroidだけでなくApple、RIM(BlackBerry)、WindowsとさまざまなOSにも対応していかなければいけません。このように、さまざまなフォーマットで、各種OSを利用しているユーザーに到達できなくてはならない。そういった機能を我々は提供できなければならないということです。広告主に対して、どういうフォーマットにも対応できるソリューションを提供するということを第一に考えています。

 3つ目の原則は「メイド・フォー・モバイル(Made for Mobile)」。つまり、“モバイルに特化した”ということです。モバイルには、モバイルならではの非常にユニークな特徴があります。例えば、モバイルには目がついている。それはなぜかと言えばカメラがあるからです。そして、耳もついている。それは、話した言葉をモバイルは理解できるから。もちろん電話をかけることもできますし、加速度センサーがついているので、ユーザーの動きに併せて広告内のコンテンツを動かすといったこともできます。こうしたモバイルならではの特徴というものを、十分に活かせるようにする。そうすることで、最終的なエンドユーザーの体験をより良くしていくことが大事だと考えています。同時に、これはあらゆるタイプの広告をモバイル上で実現できる、ということも意味しています。

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

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MarkeZine(マーケジン)
2011/06/20 14:56 https://markezine.jp/article/detail/13938

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