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大元隆志のマーケター訪問記

日本一の生活情報メディアをつくる!満を持してリリースしたライオンのオウンドメディア「Lidea」構想

 10月23日、ライオンは生活者の情報接触環境の変化に対応するため、新たな生活情報サイト「Lidea」をオープンした。同時にDMPを中心に据えた、新たなデジタルマーケティング戦略を発表し、業界の話題をよんだ。そのLideaの構想を実現した、ライオンの中村大亮氏とワンパクの阿部淳也氏に大元隆志氏が迫った。

“日本一の生活情報メディア”をつくる、ライオンの戦略

ライオン株式会社 宣伝部 デジタルコミュニケーション推進室 中村大亮氏
「Lidea(リディア)」:ライオンが10月23日にリリースしたオウンドメディア。「暮らしのマイスター」と呼ばれる5人のスペシャリストが、オーラルケア、ヘルスケア、洗濯、リビングケアなどについての専門知識をもとに生活者の疑問や悩みに答えたり、日々の彩りとなるようなエンタメコンテンツを展開する。(関連ニュースはこちら

――Lideaの構想について教えてください。

中村:Lideaは、ライオンが提供する新たな生活情報メディアです。以前からライオンは生活情報サイトを運営していましたが、今回はあえて「メディア」と表現するようにしました。この言葉の背景には、企業目線で自社の情報を語る「ウェブサイト」ではなく、生活者目線で“面白い、役に立つ”と、楽しんでもらえるような「メディア」に成長させるために、一つひとつの記事にこだわっていきたいという想いが込められています。Lideaの目標を一言で言うと、生活者のお役に立つという意味で「日本一の生活情報メディア」になることです。

――確かにウェブサイトという表現だと、企業目線の看板サイトで、メディアという表現だと読者目線の情報サイトという印象を受けますね。Lideaを必要とした背景にはどういったものがあったのでしょうか。

中村:まず、生活者を取り巻く環境の変化があります。パソコン、携帯、スマートフォンといったデジタルデバイスへの生活者の接触時間を合計すると、テレビを上回るようになっています。生活者とのコミュニケーションチャネルが多様化してきていたため、それに対応する必要がありました。

 また、世の中に流通する情報量も爆発的に増えており、本当に有用な情報でないと関心を示してもらえません。このような環境の中で、生活者の情報接触のパターンも変化してきていると認識しています。何かわからないことがあったら、スマートフォンで検索する。しかし、その検索結果から辿り着いた情報が信頼できるのかというと、そうとは限りません。こういった状況におかれた生活者に、ライオンとして何か提供できるサービスはないだろうか……という想いがありました。私達には「暮らしのマイスター」というプロがいますから、彼らの力を使って生活者の「知りたい」を解決できるのではないだろうか。そう考えたんですね。もう今の時代、商品の売り買いだけが企業と生活者の関係ではなく、有意義な情報を提供することもコミュニケーションの重要な一部ですから。こういった環境の変化と、ライオンでできることを考えた時に、Lideaの構想に辿り着きました。

――なるほど。情報を使ったウェブ上のおもてなしですね。システム運用に関する狙いはなかったのでしょうか?一般的にはサイトを統合することで、運用側の負荷が下がるなどのメリットもあるかと思いますが。

中村:そうですね、Lideaに統合されることによって、システム的なメリットはお客様、運用側それぞれにあります。これまでライオンの生活情報サイト自体は10個ほど存在していました。そのため、お客様には歯磨きの情報や、洗濯の情報を見ようとする度に散在するサイトを訪れていただく「手間」があったのですが、そこを解決することができます。運営面ではサイトごとに個別に担当者を配置する必要もありますし、SEO対策等も個別に検討しなければなりません。運用の負荷軽減というメリットも確かにありますね。

――では、全てのサイトがLideaに統合されたのでしょうか。

中村:いいえ、違います。スピード感を出すために、まずはライオンのサイト内でもっともコンテンツ保有量が多い4サイトを先行して統合しました。

――Lideaの目標数値はありますか。

中村:具体的にはお話できませんが、一つの考え方として設定しているものがあります。それはLidea単体のKPIだけでなく、Lideaを導線としてライオンのサイト全体でのPVやUUを増加させることも目標としています。

――目標を達成するための勝算はありますか。

阿部:今まで各コンテンツが複数サイトに分散されてしまっていたためSEO的にデメリットになっているが部分がありました。これが統合されることで検索流入が増えることは期待できます。また統合されたことで、戦略的に生活者目線でのキーワードなどを管理していくことも可能となり、ライオンの持つ本来のコンテンツパワーが活かされるようになると考えています。

中村:ワンパクさんの編集力で、シェアされるコンテンツを創りだすことができれば、SNSからの流入も期待できます。DMPを導入してアクセス解析等から、今求められているコンテンツを作っていくことなどもトライしていくつもりです。とはいえこれだけで伸ばせるアクセスは限りがあるので、コンテンツパートナーなどを増やして、Lideaの露出を増やしていくといったことも考えています。簡単に達成できるとは思いませんが、勝算はあると見込んでいます。

――コンテンツパートナーとは?

中村:外部メディアとの付き合い方の一例として、Lideaのコンテンツを提供して、暮らしのマイスターの露出頻度を上げ、Lideaにリンクを貼って導線をつくるというのも一つです。企業同士のコラボとしては、例えば百貨店さんなどで流行の衣類の洗濯の仕方等をマイスターが解説するコンテンツを作るといったようなことをすれば、両社にとってWin-Winになれるかと思います。こういったコンテンツパートナを増やしていくことも、Lideaが成功するための要素として重要だと考えています。

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この記事の著者

大元 隆志(オオモト タカシ)

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 クラウドインテグレーションビジネス推進部 エキスパートエンジニア 国士舘大学 経営学部 非常勤講師 通信事業者のインフラ設計、提案、企画を12年経験。現在はCASBソリューションのセールス開発・プリセールスを担当する一方で、国士舘大学 経営学部にて学生向けに企業におけるクラウド、モバイル利活用について講座を担当する。最新のIT動向や技術動向分析が高く評価され、ヤフーニュース、IT Leaders、ITmediaマーケティング等IT系メディアで多く...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2014/11/25 10:00 https://markezine.jp/article/detail/21354

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