ソフトウェアのソースコードを公開して、ほかの開発者が改良したり、共同開発できるのがオープンソースの強み。だが、オープンソースだからといって、著作権が放棄されていたり、何をしてもいいわけではない。そのため、ソフトウェアの使用、複製、改変、再頒布を認めるといったオープンソースならではの条件を定めた各種ソフトウェアライセンスがある。
オープンソースでの共同開発やコード管理が手軽にできる人気サービス「GitHub」のブログで、9日、GitHub.comのリポジトリ(ファイルなどの保管庫)でどのようなライセンスが利用されているのかの調査結果が発表された。対象となったのは、公開されている分岐していない(non-forked)リポジトリ。
GitHub.comでなんらかのライセンスを利用しているリポジトリの割合は2008年では60%を超えていたが、その後低下し、2013年には10%ほどに下がっている。2013年、GitHubはライセンス利用についての啓蒙のために、ユーザーが好きなライセンスを選ぶときの参考情報サイトchoosealicense.comをローンチ。これによってライセンス利用率は20%を超え、現在では20%前後といったところに落ち着いている。
GitHubは今回、オープンソースライセンスの利用率のトップ10を発表。1位は「MIT」ライセンスで44.69%、2位は「その他」(15.68%)、3位は「GPLv2」(12.96%)、4位は「Apache」(11.19%)、5位「GPLv3」(8.88%)。
※「その他」は、非標準のライセンス、あるいはchoosealicense.comで紹介されていない標準ライセンス。
choosealicense.comでは、トップページでMIT License、Apache License、GPL (V2 or V3)を紹介しており、今回のランキング上位にはこれらのライセンスがランクインしている。1位のMIT Licenseは、Wikipediaによると、マサチューセッツ工科大学を起源とする代表的なソフトウェアライセンス。オープンソースであるかないかに関わらず再利用を認めており、数あるライセンスの中で非常に制限の緩いライセンスとしている。
GitHubはオープンソースの開発者がコードをライセンスし、利用者が適切なライセンスのもとで利用しているかを簡単に確認できるようLicenses APIのプレビューを開始。GitHubはこれから、ライセンスの利用がプロジェクトの成功に与える影響についても分析するとしており、そのためにもこのAPIの利用を推奨するとしている。
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