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「オウンドメディアはコスパのいい広告ですか?」、バーグハンバーグバーグ柿次郎氏インタビュー

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2015/07/24 11:00

 破壊力のある面白コンテンツで知られるバーグハンバーグバーグが、求人サイトを運営するアイデムのオウンドメディア運営に参画。担当する徳谷柿次郎氏に、コンテンツ制作のノウハウからメディアの課題について聞きました。

柿次郎氏に聞く「メディア運営と編集」

 バーグハンバーグバーグは、「おもしろさ」「ばかばかしさ」を武器にソーシャルで話題となるキャンペーン企画、記事やマンガなどのコンテンツ制作を行い、自社メディア「オモコロ」を運営している。テレビ、お笑い、マンガ、テキストサイトなど、さまざまな分野の表現を巧みに組み合わせてネットならではの笑いを生み出す同社のコンテンツは「ページ内離脱率はかなり低いですね。70~80%の人が最後まで読んでくれます」(柿次郎氏)というほどの吸引力があり、記事を楽しみにしているファンも多い。

株式会社バーグハンバーグバーグ メディア事業部・部長/WEB編集者徳谷柿次郎氏

株式会社バーグハンバーグバーグ メディア事業部・部長/WEB編集者 徳谷柿次郎氏

 人工知能によって記事を大量生産することも可能な現在、コンテンツ制作、編集という仕事の存在価値やコンテンツそのものの魅力が問われているが、バーグハンバーグバーグは「これ、どうやって通したの?」と思わせるぶっ飛んだ企画、シモネタも辞さない振り切れた笑いの世界を貫いてきた。同社が手掛けてソーシャルでブレイクしたキャンペーンは、ホンダ、リクルート、KDDIなど大企業とのコラボレーションも多い。(バーグハンバーグバーグのこれまでの作品はこちらから)

 今回はバーグハンバーグバーグの新事業「オウンドメディア運営」を担当する徳谷柿次郎氏に、編集とメディア運営について話を聞いた。紙からウェブに移り変わるなかで、氏が見つめてきたものを追いながら紹介していこう。

とにかく厳しかった「R25」の仕事

 柿次郎氏の社会人デビューは少し遅い。20代前半を牛丼チェーン店「松屋」のバイトリーダーと新聞配達にあけくれるフリーターとして過ごしていた柿次郎氏は、26歳のとき背水の陣で大阪から上京。運良く拾われた編集プロダクション「ノオト」社長の宮脇淳氏に編集・ライティングの基礎をたたきこまれた。当時、最も印象的な仕事のひとつが、リクルートのフリーマガジン「R25」の仕事だったという。

柿次郎「ノオトに入社して1年くらい経った頃に、『R25』本誌のコーナーを担当するようになりました。世の中の疑問を800字にまとめるコラムや特集企画などの仕事を通して感じていたのが、リクルートの編集や校正の方は仕事に関してめちゃめちゃ厳しくて怖いということ。
 自分の未熟さが根底にあるからなんですが、赤(赤ペンで入れる修正指示)の戻し方ひとつにしても、『こう直してください』じゃなくて、『ここ、もっと深く考えて』『ここの意味は?根拠は?』っていう感じなんですよね。場合によっては、そのやりとりが2週間以上、スケジュールギリギリまで往復します。もちろん社内でも厳しいダメ出しを受ける。「赤の戻しをそのまま直すんじゃなくて自分の頭で考えろ!」って。誤字ひとつ、情報ミスひとつで媒体の信用が落ちるという緊張感は「紙」ならではものがあり、その経験をできたのはすごくありがたいですね。
 そしてライター・編集者としての自信もついてきたころ、長年の友人でバーグハンバーグバーグ社長のシモダテツヤに「うちにこないか?」と誘われたんです。立ち上げメンバーの次(4人目)のポジションは面白そうだし、直感で『これは乗っかるしかない!チャンスだ!』と思い、参画することを決意しました」

ウェブにつきものの「数字」とのたたかい

 バーグハンバーグバーグに加わったころから手掛けているのが、ぴあとの仕事だ。雑誌「ウレぴあ」から、同誌が休刊してウェブメディア「オモトピア」(ウレぴあ総研内)になった現在まで4年近くかかわっているが、「企画でNGをくらったことは一度もない」という。

柿次郎「どれだけひどい企画、とがった企画でも『いいですね、それやりましょう!』と自由にやらせてくれる。オウンドメディアという言葉が普及する前に、信頼関係で成り立つコンテンツづくりに関われたのは大きいですね。また、ライターではなく、ウェブ編集者としてやっていきたいと思えたきっかけでもあります。今は主担当を外れていますが、オモトピアは月に8本の記事納品で月間120万PV前後を維持していて好調です」

ウェブ編集の面白さに目覚めた「オモトピア」
ウェブ編集の面白さに目覚めた「オモトピア」

 ぐるなびのオウンドメディア「みんなのごはん」ではメディア立ち上げ直後に声がかかった。グルメは初めて取り組むテーマだったが、自分が胃弱であることを逆手にとって、胃弱のためのグルメ情報マンガ「胃弱メシ」を展開。ソーシャルでの拡散を通じて、「ウェブの記事ってこういう風にいろんな層に届くんだな」という成功体験があったという。

 自身をネタにした「胃弱メシ」。胃が弱い人向けのグルメ情報を提供

自身をネタにした「胃弱メシ」で胃が弱い人向けのグルメ情報を提供

 しかし、コンテンツ提供には数字がつきものだ。たとえば、「ページビューは○万PV、いいねは○○○個」といったKPIはもちろん、企画やライター起用にも数字の裏付けが求められるケースも。当初、そういった水モノの数値重視なやりとりに反発を覚えた柿次郎氏は、担当者が数字を持ち出すたびに「なんなんですか、その言い方。作り手に敬意がなさすぎるでしょう!」と怒りをあらわにすることもあったという。しかし、「怒りが生まれるたびに記事がヒットする」という謎のジンクスが生まれ、いつしかソーシャルでブレイクする記事を次々と生み出せるようになっていった。

柿次郎「最初の半年は感覚をつかむのに時間がかかったんですけど、下半期は打率が上がってすごくいい記事が増えていった。そんな数値ばかりの評価基準を押しつけるなら、やったろうじゃねーか!って意地になってたんですかね(笑)。『肉のハナマサ徹底攻略法』では、はてぶが1,880、いいねが23,000個つきました。『マッサージ師に精肉を揉ませるとうまくなるのか』はグルメの切り口だけど、ちょっと毛色の違う、バーグハンバーグバーグの色が強いもの。ビジュアルの強さ×バカさ加減がちょうどよかったのか、結果1.3万ツイートいきました。こういう記事を感覚的に生み出せるようになったんです」

 ここまで爽快にヒットを飛ばせるようになるまでには、どのような試行錯誤があったのだろうか?


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