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MarkeZine Day 2015 Autumn

社員の専門知識をコンテンツに。リアル店舗との垣根を越えた、カメラのキタムラオムニチャネル実践事例


 リアル店舗からオンライン上まで、全てのチャネルで顧客満足度を高めて売上につなげる。多くの小売業が今目標とするその形を、リアル店舗の接客力や現場の知識をコンテンツとして活用し、オムニチャネルで展開しているキタムラ。その取り組みと、注目すべき成功のポイントを、10月14日に開催されたMarkeZine Day2015で同社 執行役員 EC事業部長 逸見光次郎氏が語った。そのセッションレポートをお届けする。

リアル店舗との垣根を越えた、キタムラECの仕組み

 創業81年になるキタムラは主要事業として、カメラのキタムラが873店舗、スタジオマリオが384店舗、Apple正規サービスプロバイダが48店舗、そして自社通販サイトとヤフーやAmazon、楽天のモール店舗を含めたEC事業を展開している。その中で、同社 執行役員 EC事業部長の逸見光次郎氏が統括するEC部門が関与した昨年度の売上げは、全売上の3分の1を占める430億円で、年々増加しているという。キタムラのECの販売パターンは以下の3つ。

株式会社キタムラ 執行役員 EC事業部長 逸見光次郎氏

(1)家で注文して宅配で受け取る
Amazonや楽天などのネットモールでの注文が74億円、自社サイトは45億円。価格競争が激しく、手数料がかかるネットモールの売り上げは近年下がっているが、利益にはあまり影響していない。
(2)家で注文してお店で受け取る
自社サイトのみで143億円。
(3)お店で注文してお店で受け取る
店頭で、店員がタブレットを使って接客し、新製品予約や取寄せで注文をとるかたちで、近年急成長している。167億円。

 EC事業部は宅配だけで評価されがちだが、キタムラの場合は(2)(3)のお店で受け取る場合もネット経由で注文されているため、全て含めて評価されている。逸見氏は、「売り上げとして(2)と(3)が大きいことから、“キタムラの直営専門店ならではの人間力×EC”に勝機があることがわかる。店頭では店員が専門知識をもとにタブレットを活用し、EC関与売上を最大化させていくことを重視している」と語る。それを実現するため、EC事業部と店舗を統括する本部が連携して、店舗を支援する形をとっている。

売上げを伸ばすオムニチャネルとは?

 では、オムニチャネルとは何か。逸見氏は「小売業と消費者が、複数対複数の接点で関係するとともに、情報が統合されている状態」とした。そこで不可欠となるのが、スマートフォン(以下、スマホ)の活用だという。スマホ活用において、小売業側の注目点は、GPSで顧客が今いる場所がわかること、個人を特定して情報提供ができること、顧客がほぼ必ず持ち歩いているということ。消費者からすると、常にそこで情報を得られるということ、メールや電話や買い物ができること、さらにSNSに書き込んで拡散したりできるということだ。

 「商売はなんであれ、必ずスマホ用のwebサイトかアプリの入り口は絶対に持つべき。オムニチャネルというと、デバイスや店舗など、どこから買い物できるかという話になりがちだがそうではない。いろんなチャネルから情報を得られるうえで、それらの情報が裏側で一元管理されているというのが重要。例えば、商品マスタや購入履歴に基づくレコメンドがネットで見ても店舗で見ても同じであること。そうでないと、顧客にとって邪魔な情報になってしまう。小売業は、チャネル別対応ではなく、チャネル横断型の商品管理、顧客購買履歴管理、販促管理を行うことがポイント」(逸見氏)

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店舗が持つ専門知識を見える化し、キタムラ独自のコンテンツマーケティングを展開

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この記事の著者

東城 ノエル(トウジョウ ノエル)

フリーランスエディター・ライター 出版社での雑誌編集を経て、大手化粧品メーカーで編集ライター&ECサイト立ち上げなどを経験して独立。現在は、Webや雑誌を中心に執筆中。美容、旅行、アート、女性の働き方、子育て関連も守備範囲。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2016/03/11 20:26 https://markezine.jp/article/detail/23299

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