立ち上げ以前から感じていた影響力の高さ
LINEが2016年6月に本格運用を開始した「LINE Ads Platform」の全容を明らかにする本連載。前回はLINEで上級執行役員 コーポレートビジネス担当を務める田端信太郎氏にサービスの現状や今後の目標について話を聞いた(詳しくはこちら)。
そして今回インタビューを行ったのは、同プラットフォームの販売を注力しているセプテーニの執行役員の清水雄介氏。同氏は、メディアグロース本部の本部長としてスマートフォン上で影響力のあるメディアと向き合い、広告運用やクリエイティブ制作部隊の統括を行っている。
最初にLINEに対する印象を聞いたところ、同プラットフォームが出る前から、LINEを影響力のあるメディアとして清水氏は捉えていたという。
「LINE Ads Platformが立ち上がる前に、LINEのタイムラインに対し広告掲載を行う商品を販売したことがありました。その中で、国内のスマートフォンユーザーの大半が利用していること、ユーザーのアクティブな反応があることが確認できました」(清水氏)
では、LINE Ads Platformが立ち上がって以降の印象はどうなのか。清水氏は「高い反応率」と「圧倒的なリーチ力」を特徴として挙げた。
同プラットフォームでは、LINE上のタイムラインとLINE NEWSの広告枠に対し、年齢や性別などでターゲティングした上で配信できる。清水氏によれば、他の運用型広告の場合、ターゲティングを行うとボリュームが少なくなってしまうことがままある。一方LINE Ads Platformに関しては、ターゲティングを行っても広告主、広告代理店が満足するボリュームで広告配信が行える。
本当にタイムライン上にLINEユーザーはいるの?
ここで、前回聞けなかったある疑問を清水氏にぶつけてみた。それは「本当にユーザーはタイムラインを使っているのか」。読者の中でも、LINEで友人とのメッセージの送受信、企業の公式アカウントからメッセージが届くことは当たり前になっているはず。しかし、タイムラインに投稿する、日常的にタイムラインを閲覧するというユーザーは少ないのではないだろうか。この疑問に対し、清水氏はタイムラインが持つ魅力を語った。
「実はタイムライン広告を取り扱う前から、公式アカウントとつながったユーザーに対しタイムライン上でアプローチする企業の動向をウォッチしていました。その結果、ユーザーの企業の投稿に対するレスポンスもタイムライン上で非常に高いことがわかりました」(清水氏)
また、清水氏は「フィーチャーフォンからスマートフォンに乗り換えて、すぐメインユースとなりやすいアプリがLINE」と示した。連絡手段としてはもちろん、SNS的な利用などが進むと、企業の公式アカウントが発信した情報に対してのいいねやコメントも自然と行われていく。利用登録者数とそのアクティブ率の母数も膨大であるため、タイムラインでの広告効果も高いというわけだ。