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キリンとサイバーエージェントが探る、位置情報活用の可能性と、マーケティングの未来

2017/03/14 09:00

 本連載では、位置情報活用の浸透を目指すサイバーエージェントの湊和修氏と、実際に位置情報を用いてマーケティング施策を展開する広告主へのインタビューを通じて、位置情報活用の現状とこれからを探ります。第1回は、キリンのデジタルマーケティング部にてブランドコミュニケーションを担当する松岡貴英氏が登場。飲料メーカーならではの位置情報活用への期待や、マーケティング活用の可能性を探ります。

キリンの統合マーケティングを推進

MarkeZine編集部(以下、MZ):今回の連載では、位置情報を活用したマーケティングがもたらす可能性を様々な広告主の皆様に、サイバーエージェントの湊さんと対談しながらお話を伺っていきます。まず、簡単に現在のお仕事内容をお聞きします。松岡さんからお願いできますか。

人物1
左:キリン株式会社 CSV本部 デジタルマーケティング部 主務 松岡貴英氏
右:株式会社サイバーエージェント アドテク本部 AIRTRACK 事業責任者 湊和修氏

松岡:私は現在、キリンにて全社的なデジタルマーケティングの普及と綜合飲料事業3社(キリンビール、キリンビバレッジ、メルシャン)の各ブランド施策に携わっています。デジタルマーケティング部自体は横断的な組織でオウンドメディア・SNS・データマネジメント・EC・CRMなど多方面にマーケティング活動を行う中で、私は主にキリンビバレッジのブランド施策を担当しています。

MZ:続いて湊さん、お願いします。

湊:私は現在、サイバーエージェントのアドテクノロジー領域の開発組織「アドテク本部」にて、位置情報を活用した行動分析ターゲティングツール「AIRTRACK」のプロダクトマネージャーを立ち上げ期から務めています。

両社が語る位置情報活用の現状

MZ:ここからは、位置情報活用の現状を探りたいと思います。まず湊さんはAIRTRACKを提供して広告主を支援していますが、日本における位置情報活用は欧米などに比べ、どの程度進んでいるのでしょうか。

湊:AIRTRACKの立ち上げ時から、アメリカを中心とした海外の位置情報活用の動向を追ってきましたが、日本はまだこれから、というのが正直なところですね。位置情報活用というと、Beaconなどを活用し、店舗やイベント会場などの近くに来た人に対して広告を配信するというのが一般的です。

 我々としては、位置情報データをサイトの閲覧情報などと同様、一つの変数として捉えたいと思います。「〇〇に来た」という情報を持つユーザーに対して、どういったクリエイティブを制作すべきか考えるようにしたいです。ですので、必ずある地点の近くにいる方に広告を配信するだけでなく、行く頻度などをもとに広告配信などを行えるようにしたいと思います。ただし位置情報の扱いに関しては細心の注意を払っており、我々は広告配信をデータの活用に同意を得ているオプトインユーザーのみ、対象にしています。

MZ:松岡さんは位置情報の活用の現状をどう捉えていますか。

松岡:湊さんがおっしゃる通り、海外ではすでに位置情報を活用したマーケティングは有効で、AIRTRACKのようなソリューションも普及が進んでおり、マーケティング活用が可能になりつつあります。ただ個人的には、広告配信だけでなく、長期的な目線での位置情報活用に可能性を感じます。たとえば、「午後の紅茶」を買った人がリアルの生活でどういう行動をしているのか、ユーザーを長期的に把握するデータの一つとして期待しています。

 オンライン上のデータに関しては、弊社もある程度の行動履歴などを保有していますが、オフラインデータに関しては流通・小売業の購買データに比べ、取得することが困難で情報が限られます。その中で、位置情報は実際の生活者のアクティベーションを可能にする貴重なデータとなる可能性があります。


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