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デジタル広告の「透明性」と「検証」の必要性【アドベリフィケーション最新動向】

2017/04/24 08:00

 第一回では「広告効果検証(アドベリフィケーション)」の定義や、国内外におけるアドベリフィケーションの現状、そして背景について解説致しました。第二回目となる今回は、「デジタルの透明性」と「検証の必要性」について、さらに深く掘り下げていきます。

なぜ「検証」が必要なのか?

 アドベリフィケーションの必要性について徐々に認識は広がってきていますが、その本質については業界内でもまだ正しく理解されているとは言えません。

 下記は弊社が2015年に米国で実施したビューアビリティーに関する意識調査の結果です。ビューアビリティーの低い、見られる可能性のない広告に「価値はない」と考える広告主、代理店の数は着実に増加しており、2015年には全体の7割を超えました。

 また、計測の透明性に関しても広告主、代理店からの強い要望に応じ、今まで「Walled Garden(閉ざされた箱庭)」とされていたソーシャルメディア各社も徐々にそのスタンスを変えはじめています。

 いまだ第三者の計測の全面的受け入れまでは実現できていないものありながら、限られたデータの開示や、監査の受け入れなど、状況が変わってきています。最近ではブランドセーフティーに関する問題により複数の大手クライアントがグーグルでの配信を問題があったYouTubeだけではなく、全面的にボイコットすると言う強固な姿勢に出ており、ビューアビリティーに留まらず、包括的な透明性と安全性の担保が強く要求されています。

 日本国内の状況はというと、個々の広告主や、代理店を主体にベリフィケーションのニーズや、それを有効活用した配信の効率化が進んでおりますが、全体的な業界の動きとしてはまだ追いついてはいません。

 では実際にアドベリフィケーションが必要なのか否かについて、オフライン広告、たとえばテレビCMと比べるとよりクリアに理解できます。

 テレビCMの場合、コンテンツ規制が設けられており、かつコンテンツもプロフェッショナルな視点から制作されているため、デジタル世界では「プレミアムメディア」に位置づけられます。

 また、広告配信フォーマットや再生時間も限られていて、15秒〜30秒間、人間の目に止まる可能性のある状況下で広告が展開されることが担保されています。

 一方デジタル広告では、プレミアムメディアもあるものの、ネット上の大半のコンテンツはユーザージェネレイテッドコンテンツ(UGC)と呼ばれる、ユーザー個人が作成、アップロードし規制がほぼない環境が多く存在します。広告配信状況も、ビューアビリティーの低い枠、ひとつの面に枠が幾つもあり、そもそも見られていないか、見られていても多くの他社広告に紛れてしまい視聴者の意識が留まらない環境が多々見られます。

 最近注目が高まっている不正インプレッション(広告詐欺)の存在も忘れてはいけません。人間ではなくボットに配信され、人に見られる確率が0(ゼロ)の広告配信も存在するのです。言うまでもなく、見られていない広告にもCPM費用は発生します。

 アドベリフィケーションが必要かどうかに関しては上記の理由も踏まえ、確実に必要であると言えます。ただし、デジタル広告が業界として腐敗しているわけではなく、不正ボット開発者を除けばデマンド・サプライサイド共に誠実にこれらの問題に取り組み、広告主、媒体社双方にとって真に有益なマーケットを構築することを目標とされている方々が国内外に多く存在しています。

 問題となる要素(ブランド毀損や不正インプレッション)を正確に検出・排除し、ビューアビリティーの高い枠に配信することにより、広告としての真の効果を発揮することができます。

 またそれによりクオリティが高く、閲覧時間などビューアビリティーに関するパフォーマンスが非常に高い枠を持つ優良メディアが再評価され、デマンド・サプライサイド双方にとって健全なマーケットが実現します。真に必要なのは検証にとどまるのではなく、本当に広告の効果を発揮できる状況を必要とするデマンドサイドと、それを提供することができるメディアをつなぐデータとソリューションの活用になります。

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