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桃太郎の助っ人約50名の枠にTwitterから応募殺到、ペプシ「#いざ鬼ヶ島」キャンペーンの舞台裏

 2017年12月3日、ペプシの人気CMシリーズの最新版がオンエアされた。今回は桃太郎の援軍として、Twitterで募集した約50名の一般“キャスト”が参加しており、追って公開された240秒フルバージョンのムービーも様々なSNSを席巻している。6月からスタートしている今年のペプシのキャンペーンは、Twitterを話題の起点にすることを前提に、「#いざ鬼ヶ島」のハッシュタグをCMにも入れ込んで展開されてきた。コミュニケーション設計の成功のカギは、企画段階から企業とクリエイター、メディアが連携して最適なクリエイティブを考案した点にあった。

テレビCMで築いた世界観をTwitterで身近に

 「今年は年間を通してペプシの話題を提供し、“祭り”状態の1年にできればと思っていました」と語るのは、ペプシのコミュニケーションを担当するサントリー食品インターナショナルの佐野貴子氏。数年来のテレビCMで築いたブランドイメージを資産として活用し、今年はより商品を身近に感じてもらい、一人ひとりとエンゲージメントを築くことを目標に掲げていたという。

サントリー食品インターナショナル株式会社 ジャパン事業本部 コミュニケーションデザイン部 佐野貴子氏
サントリー食品インターナショナル株式会社 ジャパン事業本部 コミュニケーションデザイン部 佐野貴子氏

 ペプシは誰もが知る商品だが、2014年にスタートした小栗旬氏が演じる桃太郎の世界観を描いたテレビCMシリーズによって、ブランドが持つ高揚感や挑戦する姿勢といったイメージを改めて印象づけている。その圧倒的なクオリティから、CMはこれまでも新作がオンエアされるたびに様々なSNSで話題になっていた。

 この流れを増幅するための装置として注目したのが、Twitterだ。CMの受け皿としてではなく、もっと媒体の特性を活かした積極的な活用で、CMとの相乗効果を生み出せないか? そんな考えがチームの間で生まれたことを機に、元々CMの企画にも関わっていた読売広告社のクリエイティブディレクターである皆川壮一郎氏が、キャンペーンを統括する役割として参画。

 上流でも下流でもない、CMとTwitterの活用を同時並行で企画する取り組みがスタートし、6月に桃太郎がピンチだと臨場感を高める「メッセージ入り商品サンプリング」、7月に「CM出演者募集(ティザー/本編)」、そして12月にCM公開という三段階の企画に着地した。キャンペーンはTwitterを中心にネット上で絶えず話題に上り、出演者募集にも想定を大きく上回る応募があった。

ペプシキャンペーン施策の流れ
ペプシキャンペーン施策の流れ

これまでにない参加型アイデアをCMチームと検討

 この一連の企画は、どのように生まれたのだろうか?

 「ペプシをより身近なものにしたい」というサントリーの意向を受けて、皆川氏はまずCMを手がけるクリエイティブエージェンシーのTUGBOATと相談。その中で、この映画のようなペプシ桃太郎CMに実際に出られるというアイデアが上がった。こうした消費者参加型CM企画はこれまでも例があるが、今回は2つの点にこだわったと皆川氏は語る。

株式会社読売広告社 コミュニケーションデザインセンター クリエイティブディレクター コミュニケーションデザイナー 皆川壮一郎氏
株式会社読売広告社 コミュニケーションデザインセンター
クリエイティブディレクター コミュニケーションデザイナー 皆川壮一郎氏

 ひとつは、ペプシの世界にできるだけ深く接してもらうため、参加者を単なるエキストラではなく“キャスト”として扱い、それぞれの顔が必ず映し出されるように仕上げること。その考えから50名というプレミアムな枠を設定し、「桃太郎の援軍を募集する」というストーリーを設計した。最初からTwitterで募集することを想定していたため、「#いざ鬼ヶ島」のハッシュタグを考案し、CMに入れることも決定した。

 もうひとつは、商品を買った人が応募できる仕組みにしたことだ。「『ペプシを飲んで桃太郎を助けよう』というのはシンプルで強い訴求なので、これを実現したかったことと、やはり応募を通して売上に貢献できる仕組みにしたかった」と皆川氏。その上で、Twitterを応募の場に活用して、Twitter起点の盛り上げを図った。

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“ペプシを胸に自撮り”をツイート

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この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2017/12/18 11:00 https://markezine.jp/article/detail/27540

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