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フリマアプリによる「消費変貌」~1億総商人時代のモノへの向き合い方~

「消費の原点回帰」が起きる?「メルカリチャンネル」から見えた、ライブコマースという新たな消費の選択


 代表的なフリマアプリの1つである「メルカリ」。そこに蓄積される大量の取引データをもとに、消費者の変化やそれにともなう新たな商文化を3回の連載で紹介している本連載。最終回となる第3回は、成長を続けるライブコマース「メルカリチャンネル」にフォーカス。動画を使った新しい消費スタイルについて、メルカリ 事業開発部の石川佑が考えます。

企業も参入し、成長中のライブコマース

 これまでの回(過去記事はこちら)では、メルカリを例にフリマアプリが生んだ「二次流通の一般化」について触れてきました。これは大きな消費動向の変化と言えますが、メルカリを軸に消費を見ていると、他にも特筆すべき動きが起きています。

 それがライブコマースを軸にした消費です。ライブコマースとは、タレントやSNSで人気のインフルエンサー、一般の方などがライブ動画を配信し、視聴者はそれを見ながら商品を購入するシステムです。

 メルカリでは、2017年7月からライブコマース「メルカリチャンネル」をスタート。以来、チャンネルでの売上、流通量、視聴者・配信者と、いずれも右肩上がりで成長しています。私は2017年からメルカリチャンネルを担当していますが、ライブコマースというスタイルが、現代の消費にマッチしていると感じます。

 2017年12月には、法人にも配信機能を解放。これまでに、RIZAPによる新商品の紹介・販売や、ユニバーサルミュージック合同会社の音楽レーベル、ユニバーサルシグマ所属のクレイジーケンバンド・横山剣さんによるオリジナルアルバムの販売などに関する配信を行いました。今後も、企業・メーカーのライブコマース参入は増えていくと考えられます。

 ライブコマースの最大の特徴は、配信者(販売者)と視聴者(消費者)がコメントを通じてリアルタイムでコミュニケーションできること。そのインタラクティブ性です。消費者は洋服のサイズなど、気になったことをその場で聞けますし、動画でわかりやすく説明してもらえます。

メルカリチャンネルのユーザー層に見る、ライブコマースの特徴

 加えてメルカリチャンネルは、メルカリというCtoCのプラットフォームが基盤なので、元々インタラクティブ性が構築されていました。そこにライブコマースが追加されたため、他プラットフォームと比較して配信者と視聴者の距離感が非常に近いと感じます。

 また、メルカリがコマース発信のプラットフォームなので、訪問者の購買意欲が高いことも特徴。買う前提でユーザーが訪れており、ライブ中のコメントを見ても細かな質問が目立ちます。

 なお、メルカリチャンネルのユーザー層は、メルカリ本体と大きく変わりません。ただし、女性のほうが若干多く、売れ行きの良い商品もファッションやアクセサリー、コスメ、主婦向け商品など、女性向けが並びます。

 この傾向については、あくまで感覚値の見解になりますが、おそらく女性のほうがライブや時間をかけて見るコンテンツへの親和性が高いのではないでしょうか。たとえば他社を含めた各ECサイトの利用傾向を見ると、女性は比較的説明が多く、丹念に読み込むサイトを好む傾向にあり、男性は簡潔に購入できるサイトを好む傾向が見られます。また、ウィンドウショッピングも、どちらかと言えば女性に多い行動と言えるでしょう。

 つまり、時間をかけてじっくり見るライブコマースは、女性の嗜好によりハマりやすいのかもしれません。この点は今後さらに検証していきたいと思います。

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この記事の著者

⽯川 佑(イシカワ ユウ)

 京セラでのスマートフォンの商品企画・提案営業、DeNAでのECコンサルタント・カテゴリ戦略⽴案業務や「Wowma!」の⽴ち上げ、サイト編成業務を経て、2017年にメルカリに⼊社。事業開発部にて、メルカリチャンネルの法⼈開放等を担当。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/12/18 15:24 https://markezine.jp/article/detail/29891

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