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マーケティングの近未来

「Google検索は死んでいる」という指摘から得た着想 変容しつつある価値形態

 米国大手IT企業・プラットフォーマーを数社にわたり経験してきた著者が、「Google検索は死んでいる」という指摘から得た着想について記す。

「Google検索は死んでいる」という指摘は正しいのか?

 2022年2月17日付で公開された『「Google検索は死んでいる」という指摘』という記事を読んだとき、大きく二つのことを思った。ひとつは、「これは釣りタイトルかな?」と感じた。そして、二つ目は、この記事を読んだあとに感じたのだが、「価値形態が変容しつつあるのだな」と思った。

 おそらく、この記事の要点は、「アフィリエイトリンクと広告で埋め尽くされたSEO最適化されたサイト」ばかりがヒットし、「もはやGoogle検索は不真面目で信用できないものになっている」ということだ。その結果、「検索の際に働くGoogleのAIも入力した内容に対して望ましい結果を出さないことが増えている」と指摘している。

 つまり、広告とSEOが問題である。この指摘は的を射ているし、必ずしも「釣りタイトル」とは言い切れない内容だった。

 Googleのビジネスは、収益の8〜9割を広告事業が支えているらしい。その一方で、SEO最適化されたサイトの多くがそのサイト内での広告インプレッションを増やすことを目的にしている。「いたちごっこ」とよく表現されるが、Googleの作ったルールで、Google検索のクオリティが低下しているということだ。

 といっても、Google以外の検索エンジンが現時点で、Googleよりも圧倒的に優れているともいえないだろう。もちろん、ここ数年の状況をみると、MicrosoftのBingのシェアが伸びているのは知っているが、それでも、まだまだGoogleの秀逸さは衰えてはいないと個人的には思う。そのため、この「Google検索は死んでいる」という指摘は、一人のユーザーとしては、困った問題だと感じている。

深刻化するMFA問題

 「Made-for-advertising(MFA)sites」という言葉をご存知の方も多いだろう。広告収入を稼ぐことを主目的としているサイトだ。必ずしも人間に情報を伝えることを目的にしていない。つまり、MFAサイトを機械的に制作し、そして、機械(ネット空間を回遊するボット)がそのサイトにアクセスしてインプレッションを稼ぎ、結果的に、広告収入を得ていると疑われている。SEO最適化サイトの多くがこのMFAであることが多く、悪質である。国際的な犯罪組織の関与も疑われている。深刻な問題なのだ。

 「ANA study finds 25% of programmatic ad dollars are wasted」の記事では、米国広告主協会(ANA)の調査結果を紹介している。21社の広告主を対象にした調査で、約25%のお金がMFAに流れている懸念がある。1998年、Google創業当時、技術者の口コミで評判が広がっていった。先の「Google検索は死んでいる」という記事にも、こう書かれている。

「起業家のダニエル・グロス氏は、『2000年にGoogleが人気を博したのは、ハッカーたちがLycosやExciteよりもGoogleが優れていると気づいたからです。この効果が再び起こっており、先見的な人はもうグーグルを使っていないのです』とGoogleからの脱却を語っています」
出典:『「Google検索は死んでいる」という指摘』

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この記事の著者

ヴァイオレット・エヴァーインディゴ(ヴァイオレット・エヴァーインディゴ)

1990年代に米国西海岸に留学し、シリコンバレーで就職。1998年のGoogle誕生に衝撃を受け、ネット広告・デジタルマーケティング領域に職域を転換。2000年代初めに帰国。米国大手IT企業・プラットフォーマーを6社経験。デジタルマーケティングのコンサルティングを生業とする。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2024/01/16 09:00 https://markezine.jp/article/detail/44503

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