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インストールがゴールではない!獲得から収益につなげるまでのアプリマーケティング【お薦めの書籍】

 顧客接点の一つとして様々な企業に活用されるアプリ。多くのユーザーを獲得し、売り上げにつなげていくにはどんなことが必要なのでしょうか。本記事では「ユーザー獲得」と「マネタイズ」を軸に、アプリマーケティングに取り組む際のポイントを解説した書籍を紹介します。

ユーザーが多くの時間を費やす「アプリ」

 今回紹介する書籍は『アプリを使ったビジネスの「ユーザー獲得」から「マネタイズ」まで アプリマーケティングの教科書』(日本実業出版社)。機械学習を活用した広告ソリューションを提供するMolocoの日本事業を統括している坂本達夫氏と、アプリのマーケティングやマネタイズの支援を行う内山隆氏による共著となっています。

『アプリを使ったビジネスの「ユーザー獲得」から「マネタイズ」まで アプリマーケティングの教科書』 坂本達夫・内山隆(著)日本実業出版社 2,750円(税込)
『アプリを使ったビジネスの「ユーザー獲得」から「マネタイズ」まで アプリマーケティングの教科書』
坂本達夫・内山隆(著)日本実業出版社 2,750円(税込)

 様々な企業がマーケティングに取り組む上で、顧客接点の一つとして活用されるアプリ。本書で紹介されている、2018年時点でユーザーがスマートフォンの平均利用時間のうち84%をアプリに費やしている(出典:ニールセンモバイルネットレビュー)というデータから見て取れるように、生活者にとってもアプリは非常に身近な存在です。

 より多くのユーザーを獲得し、アプリを起点に収益までつなげていくには、どんなことが大切になるのでしょうか。

Webサイトとアプリの住み分けは?

 はじめに著者は、同じくデジタルでユーザーに情報やサービスを提供するWebサイトとアプリとの違いに言及。アプリの特徴として、ユーザーに継続して使われやすく長期的なエンゲージメントを構築できることを挙げました。一方で検索エンジンからの流入が多いWebサイトは、見つけられやすいことがメリットです。

 このことから著者は「Webは一見さん、アプリは常連さんに向いている」と表現。アプリを作る場合は、ユーザーに継続利用してもらいたくなるサービスを提供できることが前提になるのです。

 実際にアプリを開発したら、ユーザーを獲得する段階で考えるべきはメディアプランニングです。他の広告同様に、アプリのマーケティングにおいても目的ごとに最適な予算配分が異なります。たとえばユーザー獲得と一口にいっても、以下のような種類のユーザーが存在し得るため、目的に応じたアプローチが必要だと著者は説明しました。

・これまでアプリを使ったことがない「新規ユーザー」
・アプリはインストールしたが、長く起動していない「休眠ユーザー」
・過去にアプリを使っていたが、アンインストールした「離脱ユーザー」

質の高いアプリユーザーを獲得するカギ

 また、アプリを展開する際「新規ユーザーのインストール数」をKPIにするケースは多いもの。しかし、実際に利用に至らないユーザーや収益につながらないユーザーを集めても、事業成長に貢献しているとはいえません。

 ビジネスインパクトを重視したKPIとして、著者は以下の3つを紹介しました。「質の高いユーザーを増やす」ことをゴールに、データなどを見ながら媒体選定や予算配分を実行すべきだといいます。

・継続率やROAS(費用対効果)
・インストール後の会員登録
・(物品やアプリ内アイテムなどの)初回購入、初回課金

 また、デジタル広告を出稿する以外のユーザー獲得手段として、本書では「アプリストア最適化(ASO)」も紹介されています。WebにおけるSEOのように、ASOはインストール数を最大化させるためアプリストア上で行う施策です。著者はポイントとして、「適切なキーワード選択」「検索順位を上げる」「アプリ紹介ページに来た人の転換率を上げる」の3つを挙げました。

 適切なキーワード選択でカギとなるのは、関連性と検索ボリュームがともに高いかどうかです。たとえば「画像 加工」といったニーズあるユーザーに多く検索されやすいワードを入れたり、「○○で検索」とピンポイントでワードを設定して拡散したりするのも手です。

 この適切なキーワード選びは、2つ目の検索順位を上げる観点からも重要です。さらにダウンロード最後の一押しとして、アプリ紹介ページでは必要な情報を簡潔に整理すること、安心感を与えることが重要だと著者は指摘しました。

 本書では、他にもアプリマーケティングにおける様々な概念の解説や、出稿媒体の選び方・計測と運用などより実践的なポイントまで、アプリマーケティングの情報を網羅した一冊となっています。アプリを起点としたビジネスに携わる担当者や、自社アプリを活用した施策に取り組むマーケターは、ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

本記事は日本実業出版社からの献本に基づいて記事作成しております

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この記事の著者

吉永 翠(編集部)(ヨシナガ ミドリ)

大学院卒業後、新卒で翔泳社に入社しMarkeZine編集部に所属。学生時代はスポーツマーケティングの研究をしていました。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/01/26 08:00 https://markezine.jp/article/detail/44629

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