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Web心理マーケティング入門

親はなぜ、「付き合う友達を選べ」と言うのか

 前回までで、私たちは、ヒト・モノ・形・色など、実に様々なものから影響を受けていることを解説してきた。今回は特に強い影響を受ける可能性が高いであろう「他人」から、私たちはどのような影響を受けているのかを解説していく。自分が思う以上に私たちは他人から影響を受けているのである。【バックナンバー】

購買の際にもクチコミを利用する現実

 私たちが周りの環境から多くの影響を受けているのは、これまで解説してきたが、もちろん「他人」からも大きな影響を受けている。例えば、購買行動において考えてみよう。

 実際、私たちはモノを「購買する際」にどういったものに影響を受けているのだろうか。近年発表されるリサーチ会社のデータからは、約6~7割のユーザーはクチコミを参考にしているという結果が多く見受けらる。

 これらの結果から、私たちがモノを買う際に他者の影響を受けており、さらに言えることは私たちは他者の影響を積極的に活用していることが伺える。このように、知らず知らずの間に多くのものから影響を受けているのだが、その中でも職場、学校など、属する集団からも多大な影響を受ける可能性が高い。

 それでは、一番身近な集団から、私たちは他人からどのような影響を受けているのか。社会心理学での実験をいくつか紹介していこう。

「光点の自動運動」─ 互いに影響されあう被験者たち

 アメリカの社会心理学者ムザファー・シェリフは「光点の自動運動」を利用し、集団が個人の判断にどのような影響を及ぼすか、という集団規範の実験を行った。「光点の自動運動」とは、「暗室内で呈示された静止光点をしばらく観察すると、物理的運動がないにも関わらず、静止光点が不規則に動いて見える現象」を指す。

 この「光点の自動運動」を利用した実験の条件は以下の通りだ。

  1. 暗室に3~4人の被験者を入れる
  2. 被験者に光がどれほど(何インチ)動いたか口頭で報告させる
  3. 報告は周りの被験者に聞こえるように行う

 この実験での肝は、動いていないもの(ここでは光)が、個人のそれぞれの感覚によって、それぞれの距離を移動しているように見えることだ。当然、その光点の移動距離は実際には0である。

 この実験で面白いのは、それぞれ互いの報告を聞き、その報告を何回も重ねて判断していった結果、実験当初はバラバラであった各々の移動距離の報告の幅が小さくなり、最終的には一定の範囲内に収まるようになったことだ。

 これは、他者によって影響を受けるよい例だろう。(次ページへ続く

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この記事の著者

原田 学史(ハラダ タカフミ)

株式会社クリエイティブホープ 取締役CMO Webコンサルタント 中央大学卒業 1976年生まれ 神奈川県出身 大学在学中に起業し、1996年より海外からアパレル・雑貨を中心とした商材を仕入れ、国内でネット通販事業を開始。大学卒業後、現GMOインターネットに入社。現在に至るまで一貫してWeb業界に籍を置...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2009/04/24 15:00 https://markezine.jp/article/detail/7079

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