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ネット業界職業図鑑

企業のネット戦略を実現するための“設計図”を描く
ネットイヤーグループ「インフォメーションアーキテクト」の仕事とは?

ネット業界の仕事といっても、どんなものなのか、何ができるのか、なかなか外部の人間にはわかりにくいもの。そこで、今をときめく「あの会社」で生き生きと働くキーマンを「職種」にクローズアップしてご紹介いたします。第11回は、日本における企業のネットマーケティング支援の担い手として草分け的存在であるネットイヤーグループで、インフォメーションアーキテクトとして活躍する坂本貴史氏にご登場いただきました。【バックナンバーはこちら】  

ミッション:ネットマーケティングにおける情報デザイン設計を行なう

 ネットイヤーグループは、日本のネット黎明期ともいえる頃から企業のネットマーケティングを支援し、多くの顧客の信頼を得てきた。Webサイトの優れたクリエイティブとして紹介されることが多いため、Web制作会社と認識されがちだが、実際には企業の担当者側に立って、コンサルティングやWebサイトの運用までを主事業としている。

 「もちろん、収益性という意味ではWebサイト構築は大きな柱であることは間違いありませんが、Webサイトはあくまでツールであり、それを活用してマーケティング活動をどのように展開していくのか。そこにネットイヤーグループとしてのミッションがあり、強みがあります。そのWebサイトを含む企画全体(戦略や設計)において、コンテンツやクリエイティブという視点からアプローチするのが私の仕事です」

 ビジネスの世界でWebマーケティングが当たり前に行われるようになった今、Webサイトに対する企業のニーズは大きく変化してきているという。以前は、部門ごとにマーケティングやプロモーション、IRや採用といったように目的別のプロジェクトとして扱われていたが、現在は全体的な企業戦略として統合される傾向にある。そのため、関係部署も多岐に渡り、ガバナンスの管理も複雑化してきた。巨大化すればするほど、全体を捉え、いかに効率的かつ的確に運用管理を行うかが課題となっている。

 「一時的、一元的だったマーケティング活動が、Webの登場によって24時間365日行えるようになりました。そこに新しいコミュニケーションツールとして可能性があるのですが、同時に全社を巻き込むほどの運用体制を構築しなければならない。そのシステムをどのように構築していくか。技術的な仕組みとクリエイティブの両面から考えていく必要があるというわけです」

 デザインやコンテンツに落とし込む前の企画段階で、Web上で人がどのようにサイトの情報を捉え、どのような経験を経ていけば、意図する結果を導くことができるのか、「シナリオ」を想定して組み立てていく。そこには心理学や人間工学といったロジカルな考え方や経験に基づく感覚が必要となる。

 「まずクライアントの事業や商品を理解し、ユーザーへどのように訴求すると有効なのかを考えます。そして、どんな情報をどのように提供するか“情報設計”を行うわけです。それをさらにクリエイティブディレクターやデザイナー、技術といった制作・開発スタッフと共有し、さらにはどのように運用するか、営業担当者やプロデューサー、そして運用担当者と相談します。全体をとりまとめるクリエイティブディレクターを担当することが多いですね」

 Webの技術が進み、できることが増えることによって、求められる知識も広範囲になる。たとえば、他メディアを含めたコミュニケーションプランやSEO/SEM対策など、それらを踏まえた上でWebサイトをどう使うか。既にサイトやそれにひもづくシステムが存在する中で、たとえ部分的なリニューアルだとしても全体を理解して取り組む必要がある。

 「Webサイトをゼロから設計する方がもしかすると簡単なのかもしれません。しかし、現実には既にWebサイトやシステムが存在し、つぎはぎだらけだったりします。その全体を見ながら、部分部分で最適化していかなければならないわけです。また、グループ企業やグローバル企業がブランディングを意識して、サイトのルールを統一しようとする動きも顕著になってきました。最近ではWebサイトだけでなく、そこに関わるリアルな業務にも関係してくることが多くなりました。今後はそうしたことも含めて取り組む必要があります」

 サイトという財産が増えれば増えるほど、全体を把握しているインフォメーションアーキテクトの役割はますます重要になる。多忙を極める坂本さんの1日を覗いてみよう。(次ページへ続く)

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この記事の著者

「ネット業界職業図鑑」制作チーム(ネットショクギョウズカンセイサクチーム)

伊藤&五月女の男女ユニットで、ネット業界の様々なプロフェッショナルを紹介します。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2009/08/03 11:00 https://markezine.jp/article/detail/7752

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