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多様化するモバイルビジネスの「リアル・チャンス」をさぐる! mobidec2009レポート

「スマートフォンの普及でモバイルビジネスは急成長のチャンス」Googleのモバイルソリューションが提供するCP/広告主にとってのメリット

 11月25日に開催されたmobidec2009では、Googleでモバイルに関するパートナーとの提携拡大、関係構築を担当する吉村政久氏とモバイル広告販売を担当する滝沢幸信氏が登壇。本稿では、吉村氏の講演内容からはスマートフォンの登場により生まれたコンテンツプロバイダーにとってのビジネスチャンスを、滝沢氏の講演内容からはモバイル検索や広告における傾向を中心にレポートしていく。【バックナンバー】

世界レベルで見たスマートフォンの衝撃

 全世界の人口67億人に対し、モバイル加入者数40億人。拡大を続けるモバイル市場は、既に新聞の8倍、インターネット接続可能なPCの2.5倍という規模にまで膨れ上がっている。

 2009年に全世界で出荷されたフルブラウザ搭載のモバイル端末の台数は、PCの出荷台数を上回っており、eMarketerの調査によれば、2009年の新規ネット接続数の約半数がモバイルによるというデータも報告されている。リッチなブラウジング環境を搭載したハイエンド端末の増加により、ユーザーの検索容易性が向上するためモバイルからのアクセスが必然的に増加しており、Googleの過去2年間の実績を見ても、モバイルによるトラフィックは約5倍に膨れ上がっている状況だ。

 吉村氏は、この状況をハイエンド端末が一般のユーザーまで普及した証左と見る。2007年にアメリカで発売されたiPhoneの第一世代は約6万円と比較的高価で、購入層はハイテク志向の高所得者に偏っていたようだが、約2年経った現時点では、価格は1/3、ディスク容量は2倍、回線スピードは28倍と大幅に洗練されている。ハイエンド端末がより身近になる状況が整ってきたと言えるだろう。

グーグル株式会社
モバイルストラテジックパートナーデベロップメントマネージャー
吉村政久氏
グーグル株式会社 モバイルストラテジックパートナーデベロップメントマネージャー 吉村政久氏

iPhone、Androidアプリケーションの普及

 また、ハイエンド端末の普及によってプラットフォームが統一され、グローバルなアプリケーション販売に大きなチャンスも生まれている。出荷台数5000万台にのぼるiPhoneとiPod touchや2009年から2010年にかけて18機種以上発表される予定のAndroid携帯。これらの端末向けにアプリケーションを販売するApp Store、そしてAndroidマーケットストアでは、実に10万ものアプリケーションが既に揃っており、App Storeでは30億本ものダウンロード数を記録している。さらに、iPhoneユーザーの98%以上が何らかのアプリケーションをダウンロードしているという調査結果がでるなど、アプリケーションを中心とした新しいエコシステムが形成されている。App Storeを追従するAndroidマーケットプレイスは、まだ日本ではスタートしたばかりだが、コンテンツプロバイダーが積極的に参加することでビジネスの拡大が見込まれる分野だと吉村氏は示唆する。

広告収入を軸としたモバイルアプリケーション開発にもチャンスあり

 広告という観点から見ても、モバイル市場は世界レベルで拡大傾向にあり、アメリカでは2013年までに33億ドル規模になり、今後4年間2ケタ成長を続けていくという予測もある。世界規模で見ればとてつもなく巨大な市場だ。しかし、こうした拡大する広告市場からの収入を期待し、グローバル展開を想定したとしても広告獲得方法が分からないなどの問題もある。

 この問題の解決にGoogle AdSenseを活用することを吉村氏は提案する。AdSenseは初日から99%のカバー率を誇り、表示される広告もコンテンツとマッチングするため満足のいくユーザーエクスペリエンスを提供できるほか、1つのAdSenseアカウントでさまざまなメディアを管理・運営できる。また、モバイルに特化した広告担当チームによるサポートなど、ワンストップで効率的な環境を整えるサービスを提供している。

 さらに、昨年11月からはモバイルアプリケーション向けの「AdSense for Mobile Applications」もベータ版として提供開始された。これは、AndroidやiPhoneなどのモバイルアプリケーションに広告配信ユニットを設置することで、開発者の収益化に貢献するサービス。活用することで、アプリケーション開発者が、ユーザーからの直接課金だけでなく、拡大するモバイル広告収入の恩恵にあずかれるチャンスが生まれることになる。

 吉村氏は「今後、世界中で人気となるコンテンツを製作してもらうための支援をさらに積極的に行っていきたいと考えている。ワンストップでサイト運営できるような広告システムや解析ツールを提供することで、よりコンテンツに集中できる環境を用意し、コンテンツプロバイダー、メディアがグローバルな展開をする手伝いをしていきたい」と締めくくり、滝沢氏に交代した。

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この記事の著者

森 英信(モリ ヒデノブ)

 就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務やWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業。編集プロダクション業務においては、IT・HR関連の事例取材に加え、英語での海外スタートアップ取材などを手がける。独自開発のAI文字起こし...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2010/01/19 11:00 https://markezine.jp/article/detail/9338

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