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「AdGang」が選んだ今週の一押しキャンペーン

“貧しい人を侮蔑する”ことで逆に支援の必要性に気付かせる、人間の心理を突いた実験

 人はあるメッセージには怒りをあらわにし、あるメッセージには無関心を装う。このふたつの態度の違いは何からくるのでしょうか。英国の慈善団体が行ったある実験を紹介します。海外の広告・宣伝・プロモーション事例情報を提供している「AdGang」からの厳選記事を紹介するこの連載は、毎週水曜日更新です。

キャンペーン概要
  • 時期:2013年
  • 国名:UK
  • 企業/ブランド:The Pilion Trust
  • 業種:慈善団体

人々の心理をあらわにしたひとつの実験

 ロンドンの中心部。朝の通勤時間帯に人々が忙しく行き交う中、1人の男性が「FUCK THE POOR(貧乏人なんて、クソくらえ)」と書かれた看板を背負いながらリーフレットを配っています。

 貧しい人やホームレスを侮蔑するような言動に対し人々は憤り、男性に抗議します。「どうしてそんな事を言うんだ」「貧しい人がいるなら助ける方法を考えるべきでしょう?」中には強い口調で詰め寄る人も。

 しばらくして、同じ男性が今度は「HELP THE POOR(貧しい人に支援を)」と書いた看板を背負い、道行く人に募金を呼びかけます。しかしこれに対しては、立ち止まる人はおらず、みな無関心な様子で通り過ぎていきます。

 実はこちら、貧困問題の解決に尽力するチャリティー団体「Pilion Trust」が行った実験です。人々に「貧しい人を助けよう」と呼びかけてもなかなか支援につながらないが、貧しい人に対する侮辱的な態度には「それは間違っている」と声を上げる。つまり多くの人は「実際に募金まではしないものの、支援の必要性を十分に理解している」ということを明らかにしているのです。

 映像は次のような言葉で締めくくられています。

 We know you care. Please care enough to give.
(皆さんが貧しい人たちを気にかけていることはわかります。その気遣いを支援に繋げてください。)

 人々の心理を突いた、思わずはっとさせられる実験でした。

動画はコチラ

参考サイト

 先週の紹介キャンペーン

 記事転載元:AdGang

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山田 健介(株式会社PR TIMES)(ヤマダケンスケ (PR TIMES))

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2014/04/16 08:00 https://markezine.jp/article/detail/19702

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