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定期誌『MarkeZine』特集

なぜセールスフォース・ドットコムは成長を続けられるのか

 2018年度第1四半期(2017年2月1日〜2017年4月30日)の売上が前年比25%増の23億9,000万ドルを達成したセールスフォース・ドットコム。CRMの領域において世界トップベンダーである同社は、常に成長を続けている。同社の成長を支えるBtoBマーケティングの戦略はどのようなものか。なぜ、成長を続けられるのか。やるべきことを明確にした「仕組み」と、それを支える「体制」について、同社のキーパーソンたちに聞いた。

 ※本記事は、2017年9月25日刊行の定期誌『MarkeZine』21号に掲載したものです。

成長を支える「仕組み」と「体制」

――セールスフォース・ドットコム(以下、セールスフォース)と言えば、CRMで世界トップシェアを誇る企業ですね。営業支援サービスである「Sales Cloud」をはじめ、One to Oneマーケティングを実現するデジタルマーケティングプラットフォーム「Marketing Cloud」などを通じて、デジタル時代に企業が顧客との理想的な関係を実現するための環境を構築・提供しています。今回は、そんなセールスフォース自体がどのようにBtoBマーケティングを進めているのかをお伺いしたいと思います。

(左)田中 裕一氏 (中央)今村 和広氏 (右)山下 貴宏氏
(左)田中 裕一氏 (中央)今村 和広氏 (右)山下 貴宏氏

株式会社セールスフォース・ドットコム マーケティング本部
イベントマネジメント&キャンペーン シニアディレクター 田中 裕一(たなか・ゆういち)氏

ガートナージャパン、日本マイクロソフトで大規模なプライベートイベント主催から、展示会への出展、社員向けインセンティブ等のイベントマーケティング業務に従事。2012年6月から、セールスフォース・ドットコムにて「Salesforce World Tour Tokyo」等のイベント企画・実行に携わり、現在イベント、キャンペーン、マーケティングオペレーションズを統括。

株式会社セールスフォース・ドットコム
インサイドセールス本部 本部長 今村 和広(いまむら・かずひろ)氏

2004年にセールスフォース・ドットコムに入社。インサイドセールス、首都圏地域の直販営業を経て、2011年から3年間は九州、沖縄を中心とした成長市場の立ち上げを担当。2014年2月から首都圏営業部門のマネジメントを経て、2016年2月より現職。

株式会社セールスフォース・ドットコムセールス
イネーブルメント 部長 山下 貴宏(やました・たかひろ)氏

日本ヒューレット・パッカードで法人営業を担当。その後、船井総合研究所、マーサージャパンにて営業組織開発、人材マネジメント分野のコンサルティングに従事。現在、セールスフォース・ドットコム営業人材開発部門の責任者。営業部門全体の人材開発施策、グローバルトレーニングプログラム等の企画/実行を統括。

田中:そうですね、「仕組み」と「体制」の2つの観点で説明したほうがわかりやすいでしょう。まず当社には、これまでの継続した成長を実現してきた「The Model」という組織営業のベストプラクティスがあります。これは、潜在顧客の獲得から見込み顧客の育成、案件管理、契約継続/追加に至るマーケティングプロセスにおいて、それぞれの組織がやるべきことと、その目標数値であるKPIをしっかり定めたものになっています。最終的には、営業部門が契約を結び売上を上げるわけですが、そこに至るプロセスのフェーズごとに、担当部署とKPIが設けられているので、最終ゴールを全員で共有して進められるわけです。これが「仕組み」の部分です。

図表1 組織営業のベストプラクティスモデル「The Model」
図表1:組織営業のベストプラクティスモデル「The Model」

――体制はどのようなものですか?

田中:マーケティングで見込み顧客を発掘し、そこから営業が商談に進めていきます――というと単純ですが、実際はマーケティングで集めたリードをそのまま営業が活用することはあまりありませんよね。マーケティングで集めるリードは「潜在顧客」ですが、営業はある程度商談に結びつく可能性が高い「見込み顧客」を求めています。潜在顧客も、マーケティングのフックで関心を抱いたほうなので、見込み顧客には違いありませんが、確度の高い見込み顧客に育てるには時間がかかります。

 加えて、実際にソリューションを営業するときには、マーケティングメッセージを営業の言葉に変換しなくてはなりません。たとえば新しい機能が出たときに、製品説明文に書いてあることそのままではなく、実際に動かしながら、「こうすれば、お客様の課題は解決できますよ」と説明する必要がある。

 こうしたことから、体制の中に、潜在顧客を見込み顧客に育てる専門組織「インサイドセールス」と、営業組織のパフォーマンス向上に向けて支援する「セールスイネーブルメント」という部門を設けているのです。

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この記事の著者

安成 蓉子(編集部)(ヤスナリ ヨウコ)

MarkeZine編集部 編集長1985年山口県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。専門商社で営業を経験し、2012年株式会社翔泳社に入社。マーケティング専門メディア『MarkeZine』の編集・企画・運営に携わる。2016年、雑誌『MarkeZine』を創刊し、サブスクリプション事業を開始。編集業務と並行して、デジタル時代に適した出版社・ウェブメディアの新ビジネスモデル構築に取り組んでいる。2019年4月、編集長就任。プライベートでは2児の母。...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

岩崎 史絵(イワサキ シエ)

リックテレコム、アットマーク・アイティ(現ITmedia)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆のほか、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/02/26 17:41 https://markezine.jp/article/detail/27109

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