インテージは、日本を含む世界20ヵ国のマーケターを対象に実施した調査から導き出された「マーケター自身が描く、2025年のありたい姿」の分析結果を公開した。
ミレニアルマーケターは「戦略」を意識している
ミレニアルマーケター(図表左)とシニア世代のマーケター(図表右、以下シニアマーケター)を比較。連想の結び付きが強い言葉は近くになり、中心部分に登場するワードは、周辺に広がる様々な言葉とつながりがある「連想の中枢(ハブ)」となっている。
ミレニアルマーケターの中心には「strategy」が、その近くには「serious」「hardworking」「hardwork」といったワードが並んでいる。マーケティング活動において「戦略立案への真摯な取り組みへの期待」が重要な要素であると捉えているようである。さらに、周辺に「vision」が存在する。ミレニアルマーケターにとっては、ビジョンドリブンな戦略を立てる、“意志あるstrategy”を持つことが、2025年に「マーケターとしてこうありたい」と思う姿の中枢にあると言える。
一方、 シニアマーケターのハブには、「proven」「visibility」「change」「growth」「success」が登場している。シニアマーケターは、「変革や成長は見える形で示したい、成功を可視化したい」と思い描いていることが読み取れる。2025年に「マーケターとしてこうありたい」姿の中心に「戦略にビジョンを持つこと」をイメージするミレニアルマーケターに対し、「変革や成功の可視化」を重視するシニアマーケターと、世代によって違いがある。
世界のマーケターは「ソーシャルグッド」を重視
世界のミレニアルマーケターのワード出現ランキングでは、8位に「innovation」、12位に「innovative」が登場(図表3)。これらのワードは、日本のマーケターのTop 20にはランクインしていない。
「innovation」の周辺には、「product」「marketing」が存在。世界のミレニアルマーケターは、マーケティングとは「イノベーションプロダクトを開発すること」と捉えている。
さらに、「eco friendly」「environmentally friendly」「challenge」「proud」「kind」というワードが続く。企業利益のために革新的な商品を生み出すといったニュアンスとは異なり、社会・地球環境への影響を考慮した商品を、innovationと定義している特徴がある。マーケターとして、社会や地球環境に“kind”であり、ソーシャルグッドな商品を生み出すこと。また、マーケティング業界へは、ソーシャルグッドな商品市場の形成が進むことを期待していると考えられる。
【調査概要】
調査主体:インテージ
調査期間:2019年8月
調査対象:マーケティング業務に従事している男女2,000人
ミレニアルマーケター: 20‐35歳、マーケティング業務経験13年未満
シニアマーケター: 40‐55歳、マーケティング業務経験10年以上
調査地域: 日本、世界20ヵ国※
※ESOMAR Global Market Research 2018 An ESOMAR Industry Report:Market Research市場規模上位30ヵ国より選定
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