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【特集】明快な方程式がなくなった、メディアプランニングの今

本田哲也氏に聞く「人を動かすメディアの使い方」 統合型マーケティングキャンペーンに加えるべき視点とは

 キャンペーンを企画するとき、広告を起点に思考、議論がなされることが多い。しかし今の時代、メディアを使って人を動かすには、恐らく広告だけではパワーが足りない。これは、広告・マーケティング業界にいる多くの人も実感しているところだろう。メディアプランニングに焦点を当てている本特集だが、本記事ではその皮切りとして、「人を動かすメディアの使い方」をPRストラテジストの本田哲也氏に教えてもらう。顧客接点となり得る様々なメディアを駆使し、設計・展開しなければならない現代の統合型マーケティングキャンペーンは、PRと広告の両方を統合して設計することで、成功確率を高められるものなのである。

※本記事は、2023年6月25日刊行の『MarkeZine』(雑誌)90号に掲載したものです。

統合マーケティングは「PR First , Advertising Second」

──はじめに「PR」の定義を教えてください。そもそも、PRと広告の区別がついていない方も少なくないかもしれません。

 PRとは、パブリック・リレーションズ(Public Relations)の略で、「企業や組織が社会と良い関係を築き、それを維持すること」という“概念と実践”を表す言葉です。昔に比べると日本でも理解が進んできましたが、「自己PR」という言葉に代表されるように、PRと言うと「売り込み」に近い意味合いで取られてしまっていることがよくあります。マーケティングにおいても、PR=販促・プロモーションと捉えている人が多いようです。もう一つ、パブリシティ(Publicity)という言葉もありますが、これもPRの一部に過ぎません。記事や番組露出を獲得するパブリシティ活動は重要ですが、PRにおけるパブリシティはあくまで部分的で狭義のものです。

本田 哲也(ほんだ・てつや) 株式会社本田事務所 代表取締役/ PRストラテジスト 「世界でもっとも影響力のあるPRプロフェッショナル300人」に『PRWEEK』誌によって選出されたPRの専門家。 1999年に世界最大規模のPR会社フライシュマン・ヒラードに入社、2006年にPR会社ブルーカレント・ジャパンを設立、 2019年より現職。国連機関や外務省のアドバイザー、Jリーグのマーケティング委員などを歴任し、カンヌライオンズで公 式スピーカーや審査員も務めている。『最新版 戦略PR 世の中を動かす新しい6つの法則』『パーセプション 市場を つくる新発想』など著書多数。
株式会社本田事務所 代表取締役/ PRストラテジスト 本田 哲也(ほんだ・てつや) 氏
「世界でもっとも影響力のあるPRプロフェッショナル300人」に『PRWEEK』誌によって選出されたPRの専門家。 1999年に世界最大規模のPR会社フライシュマン・ヒラードに入社、2006年にPR会社ブルーカレント・ジャパンを設立、 2019年より現職。国連機関や外務省のアドバイザー、Jリーグのマーケティング委員などを歴任し、カンヌライオンズで公 式スピーカーや審査員も務めている。『最新版 戦略PR 世の中を動かす新しい6つの法則』『パーセプション 市場をつくる新発想』など著書多数。

 SNSで個人が情報発信をするようになるまでは、メディアを使う他に企業には情報を発信する術がありませんでした。だから、媒体(広告枠)を買うのが広告で、媒体(広告枠)は買わずメディアの意志で発信してもらうのがPR、という最もわかりやすい区分ができていたわけです。基本的に、この区分は今も変わりません。ところが、SNSの登場とともにインフルエンサーの影響力が強くなる中で、PRと広告にグレーゾーンが出てきました。「#PR」もすっかり定着してしまったので、なおさらPR=プロモーションというイメージを持つ人が多くなってしまったように思います。

──統合マーケティングにおいてPRと広告が果たす役割の違いを、どう理解すればよいですか?

 シンプルに言うと、PRは「空気をつくる」ものです。商品やサービスを売り込むのがPRの役割ではなく、その商品・サービスが今世の中で必要とされている空気、大げさに言うと世論をつくるのがPRなんですね。買う理由をつくる、外堀を埋めるようなイメージに近いでしょうか。

 PR先進国であるアメリカでは「PR First , Advertising Second」という言葉が昔からあります。現代の統合マーケティングにおいても、PRが先で、その次に広告というケースが多い。世の中の空気づくり=環境整備をしてから、広告でダメ押しをするのです。

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/06/22 09:30 https://markezine.jp/article/detail/42524

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