今回の調査は、今年の2月に日本・米国・ヨーロッパ・カナダ・ラテンアメリカ・アジア・オーストラリアなど、20数か国におよぶ企業のCFO541名を対象に行われた。
景気見通しについては各国で大きな差があり、インド、米国などでは約8割が「楽観的」と回答したのに対して、日本は3割強にとどまった。世界と比較すると、日本のCFOは景気回復に関して悲観的で、回答者の45%が2012年に景気後退が起こると予測している(世界平均:14%)。
成長の足かせとなる要因について、日本の回答者の48%が、外的要因ではなく、ビジョン、調整、経営資源の欠如などの社内要因が、今後の成長における深刻なリスクであると考えているが、世界平均は26%にとどまっている。世界の企業の67%がグローバリゼーションは自社の業績見通しにとってプラス要因であり、競争が激化してもメリットのほうが大きいと答えているのに対し、同様に考えている日本のCFOは48%にとどまった。
その一方で、高い成長率を求めて、より大きなリスクを取ることを望んでいるCFOは他国より日本が多く、投資規模を拡大するという回答も世界を上回っている。さらに、6割近くのCFOが2011年より積極的な成長目標を設定しており、その目標達成に自信があると答えている。
【調査概要】
調査方法:オンライン調査およびインタビュー形式
調査対象:CFO(最高財務責任者)など財務責任者
サンプル数:541名 *年間売上高が5億ドル~200億ドルの企業
調査地域:米国、カナダ、中南米、欧州、アジア、オーストラリア、など
実施期間:2012年2月
調査協力:CFO リサーチ・サービス(米国)
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