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統括編集長インタビュー

「テクノロジーの役割は『記録』から『エンゲージメント構築』へ」─IBM クレイグヘイマン氏インタビュー


 米国時間12日からタンパで行われたSmarter Commerce Global Summit2014の会期中にスマーターコマース事業を牽引するキーマン、クレイグヘイマン氏へのインタビューが実現。日本市場への見通しやこれからの時代のテクノロジーの役割などについて聞いた。

 ―― 日本でもマーケティング・オートメーション領域への注目度が高まっています。日本市場への印象を教えてください。

 日本は非常にユニークな市場だと捉えています。日本企業のグローバル化は他国に比べ進んでいない印象でしたが、ビジネス環境の変化もあり、日本企業のグローバル化が進んでいる印象です。グローバルでのビジネスを展開を考えるなら、テクノロジーを活用した販路拡大やマーケティングが必要不可欠になってきます。

IBM インダストリークラウドソリューションズ
ゼネラルマネージャー クレイグヘイマン氏
IBM インダストリークラウドソリューションズ ゼネラルマネージャー クレイグヘイマン氏

 ―― 基調講演のプレゼンテーションではキーワードとして「エンゲージメント」を挙げていましたね。

 モバイル、ソーシャルの普及が急激なスピードで進行する中、マーケターが最も頭を悩ませている課題が顧客接点の多様化への対策です。よりよい顧客体験を提供したいと誰もが思っていますが、これだけタッチポイントが増えてくると一人ひとりの顧客に対して人力で対応することは現実的に不可能です。

 そこで有効なのがテクノロジーの活用です。10年前を思い出してみてください。10年前のテクノロジーの役割は「記録」であったと私は考えます。しかし、現在においてテクノロジーが果たす役割は「エンゲージメント(顧客との関係作り)」だと考えます。言い換えれば、個々へのおもてなしの自動化を実現するためにテクノロジーが活用されるべきなのです。

 マーケティングの側面からですとエンゲージメントと聞くと「顧客との関係作り」と連想されると思いますが、エンゲージメントが包括する領域はそれに留まりません。より大きな視点で見てみると、従業員同氏のつながりを促進することや行政と住民のつながりを促進することもエンゲージメントに含まれます。テクノロジーを活用することで、これらの領域のエンゲージメントも高めることが可能です。こういった一連の概念をシステム・オブ・エンゲージメントと表現しています。

 ―― 「個々へのおもてなしの自動化」を実現するためのソリューションが今回発表となった、IBM ExperienceOneということになるのでしょうか。

 そのとおりですね。「IBM ExperienceOne」はソフトウェアとサービスのフルパッケージのソリューションです。IBM研究所がこれまで開発・研究してきたテクノロジーに加え、スターリングコマース(Sterling Commerce)、ティーリーフ(TeaLeaf)、コアメトリクス(Coremetrics)、ユニカ(Unica)、デマンドテック(DemandTec)、エクスティファイ(Xtify)、シルバーポップ(Silverpop)といった各領域のサービスを統合したソリューションとなります。経験豊富なIBM Interactive Experienceチームがコンサルテーションや導入の支援を行っていくことになります。

 ―― 今回のサミットの統一テーマであるmoments matterについても教えてください。具体的にはどのような事柄が「moments matter」になるのでしょうか。

 1つ例を挙げましょう。ホンダにアキュラという高級車ブランドがありますが、トランクにスーパーの袋をかけるフックがついています。購入時にはそれほど目につかなかったこういった機能は、買い物をして袋をどこに置こうかと思った瞬間にはじめて自分の生活シーンに合わせた、気が利いた機能だとユーザーは気づきます。

 こういった、その瞬間に顧客に対して驚きや感動を与える瞬間をmoments matterと捉えてください。この種の驚きや感動をデザインするために、テクノロジーを活用していくべきなのです。

 ―― 最後に5月21日から日本で開催するIBM Software XCITE Spring 2014での講演について教えてください。講演ではどのようなメッセージを伝えたいとお考えですか。

 繰り返しになりますが、最も伝えたいキーワードはエンゲージメントです。テクノロジーを活用すれば、顧客一人ひとりに対するおもてなしを自動化できるのです。

 顧客接点が多様化・複雑化する中で、ビジネスを拡大させるためにはテクノロジーを活用したエンゲージメントの構築が不可欠なのです。IBMとしても日本市場を拡大するための投資をこれからより推進していく考えですのでぜひご期待ください。

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この記事の著者

押久保 剛(編集部)(オシクボ タケシ)

メディア編集部門 執行役員 / 統括編集長立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、2006年スタートの『MarkeZine(マーケジン)』立ち上げに参画。2011年4月にMarkeZineの3代目編集長、2019年4月よりメディア部門 メディア編集...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2014/05/16 16:10 https://markezine.jp/article/detail/19977

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