日本IBMは、NPO法人企業教育研究会と共同で、データ分析に関する中学生向け授業プログラムを発表した。コンピュータ技術の発展やインターネット普及によって、学校教育における教育内容も社会の変化を前提とした検討が必要になりつつある。大きな変化の一つに、統計的手法を採用する「ビッグデータの活用」がある。中学校では、数学の授業で「資料の活用」の強化が推進され始めているが、現状では、実社会で求められる知識や技能とは大きな開きがある。そのため、ビッグデータの活用に関して、義務教育段階で概観できる授業の開発が求められている。
このような背景から、今回の授業プログラムを開発するに至った。発表した授業プログラムは、中学生が数学や統計的な手法を身近に感じながら活用できるよう、未来の学校の選挙予測を題材としたプログラム。開発にあたり次の基本方針がとられた。
1.データの規模を数万件程度とする
中学生が限定された時間でデータの全体を把握可能な規模として、データの規模を数万件程度とした。
2.「未来の学校の選挙予測」を扱う
類似の実例があり且つ、数万件程度のデータを扱う設定でも成立しうるとして、題材を「未来の学校の選挙予測」とした。
3.デジタル教材を扱い、ゲストスピーカーを招く。
架空の設定でテンポよく授業を進めるために、静止画や動画を多く用いるデジタル教材を作成。また、ゲストスピーカーとしてデータ分析の従事者を、デジタル教材のストーリーの中に登場する場面を設けた。
なお、同プログラムは2014年7月に、千葉大学教育学部附属中学校3年生の選択数学授業にて、1コマ45分の授業を試行している。また、2015年3月までに練馬区立上石神井中学校、港区立御成門中学校、四街道市立四街道中学校(五十音順)にて展開する予定。
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