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ネットとテレビの新しいトビラを開く、フルハイビジョンTV向けコンテンツ「Yahoo! JAPAN for AQUOS」

 「フルハイビジョンテレビが置かれたリビングで、家族がゆったり楽しめるコンテンツ」――これが「Yahoo! JAPAN for AQUOS」のイメージだ。発表会では、シャープ取締役 研究開発本部副本部長の千葉 徹氏とヤフー取締役COOの喜多埜 裕明氏が、5月29日にスタートする新サービスの特徴とそのねらいについて語った。

AQUOSの前に立つ、シャープの千葉氏(右)とヤフーの喜多埜氏(左)

スクロールなし、リモコン一発操作、ながら見もOK!

 100種類以上あるYahoo! JAPANのコンテンツのうち、「Yahoo! JAPAN for AQUOS」の第一弾として提供されるのは厳選された12のサービス。しかし、パソコンや携帯向けのコンテンツをそのまま再利用するわけではない。フルハイビジョンテレビの高画質・高精細な大画面で映える色調に調整したり、テレビのリモコンで簡単に操作できるよう、基本的にひとつの画面で完結し、スクロールを極力行わずに済むような構成になっている。

AQUOSのテレビ向けポータルサイト「AQUOS.JP」から「Yahoo! JAPAN for AQUOS」へ

 「Yahoo! JAPAN for AQUOS」のトップページは、下の写真のようにメニューだけのシンプルな構成。ここからテレビのリモコンを使って、各サービスへとアクセスする。

「Yahoo! JAPAN for AQUOS」のトップページ
5月29日から提供を開始する12個のサービスが並んでいる

 「地図」サービスは、国内初のフルハイビジョン対応した地図情報を提供。文字の大きさや色、表現などを全面的に見直している。また、地図だけでなく、航空写真や周辺地域のグルメ情報を表示させることもできる。

地図サービスでは「Yahoo!グルメ」のレーティングや人気店情報も表示できる

 子どもに絵本を読み聞かせる「テレビでえほん」では、20冊程度の絵本コンテンツから好きな本を選ぶと自動的に絵が切り替わり、音声で読み上げてくれる。もうひとつの子ども向けコンテンツ「シカクいあたまをマルくする。」では、日能研が出題するクイズを解くことができる。

「テレビでえほん」で読める絵本は、40冊程度に増やす予定

 「Yahoo!オークション 人気キーワードランキング」や「Yahoo!ショッピングの売れ筋商品ランキング」といったコンテンツは、現在のところランキング情報閲覧のみで、テレビから直接入札したり購入することはできない。しかし、将来的にはそうした機能を提供することも検討しているという。

「Yahoo!ショッピングの売れ筋商品ランキング」の画面

 そのほか、国内の高級旅館の情報を美しい写真とともに紹介する「Yahoo!トラベル旅上撰」、料理のレシピを紹介する「テレビdeクッキング」、写真共有サイト「Flickr」の写真を表示する「スライドショー」や、「ニュース」「天気」「映画情報」「検索ランキング」といった人気コンテンツが提供される。

 パソコンのようにマウスやキーボードがないため、視聴者がキーワードを入力して検索を行ったりすることはできない。しかし、フルハイビジョンテレビの大画面で見る写真は、パソコンとは一味違う迫力があり、大きく表示される地図も非常に見やすい。また、何も操作されていないときには、ニュースや天気など全メニューを次々とダイジェストで表示する「ながら視聴」機能も提供。気になるものはリモコンでさらに情報を引き出すことができるようになっている。

「ネットとテレビの融合」、そのハードルをYahoo!が超える?

 調査によると、ひと月に1人の人がテレビを見る時間は127時間。一方、「Yahoo! JAPAN」の利用時間は3時間16分、インターネット全体の利用時間でも17時間27分。個人がモニターに向かってキーを打ち、検索して目的の情報を探し回るパソコンと、「ながら見」など受け身でも楽しめるメディアであるテレビ。こうした違いが利用時間の圧倒的な差を生み出している要因のようだ。

 テレビとインターネットを融合する試みとして生まれたサービスに「アクトビラ」がある。松下電器産業、ソネットエンタテインメント、ソニー、シャープ、東芝、日立製作所が出資して設立した株式会社アクトビラが運営するデジタルテレビ向けのネットサービス「アクトビラ」では、天気・ニュース・株価・求人のほか、楽天市場でのオンラインショッピング、ビデオ・オンデマンドも利用できる。しかし、多くの人がアクトビラを日常的に利用するという状況には至っていない。

 シャープの千葉氏は、出資しているアクトビラと「Yahoo! JAPAN for AQUOS」について、前者は業界で協調しながら進めるベーシックサービス、後者は試行錯誤しながら新しいものを提案する試みだとして、両方を押し進めていく姿勢を示した。

 一方、ヤフーの喜多埜氏は「(広告展開や動画配信など)やりたいことはたくさんあるが、まずは多くの人に見てもらいたい」と語る。ヤフーはソニーとも同様のサービスについて交渉を開始しているが、まずは圧倒的なシェアを持つシャープとのプロジェクトを成功させなければならない。「100万台か100万人かはわからないが、ひとつの大台がビジネスをはじめるキーになるだろう」という喜多埜氏。「Yahoo! JAPAN for AQUOS」は果たして、ネットとテレビの新しいトビラを開くことができるのだろうか。

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「Yahoo! JAPAN for AQUOS」プロモーションサイト

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

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2009/04/08 11:13 https://markezine.jp/article/detail/3640

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