電通PRコンサルティングは、「ソーシャルイシュー100調査」を実施した。同調査は様々なソーシャルイシュー(社会課題)から100項目を抽出し、生活者の「解決優先度」と企業への「解決期待度」を調査・測定したものだ。
解決優先度が高いのは「物価高騰による値上げ」
まず、生活者が解決する優先度が高いと感じているソーシャルイシューを調査。1位は「物価高騰による、食料品以外の値上げ(67.6%)」となり、2位は「物価高騰による、食料品の値上げ(65.5%)」に。3位には同率で「年金制度(64.7%)」「賃上げ(物価に対して低い賃金上昇率)(64.7%)」がランクインした。
企業に解決を求める課題は「長時間労働・過労死」
次に企業に解決を求めるソーシャルイシューを調べると、「長時間労働・過労死(51.2%)」がトップに。2位以降は「賃上げ(物価に対して低い賃金上昇率)(50.1%)」「労働環境の改善(49.7%)」「ハラスメント(セクハラ・パワハラなど)(48.3%)」「出産によるキャリアへの影響(48.0%)」が続いた。
同調査では企業への解決の期待度が高いソーシャルイシューのうち、生活者の解決優先度が平均値以上のイシューを「ビジネスイシュー」領域として定義。特に意識が高いビジネスイシューには「賃上げ(物価に対して低い賃金上昇率)」「労働環境の改善」「物価高騰による値上げ(食料品・食料品以外)」「長時間労働・過労死」「ハラスメント(セクハラ・パワハラなど)」「フードロス・食品ロス(まだ食べられる食品を廃棄すること)」などが挙げられた。
若年層とシニア層で優先課題に差
年代別に見ると、10~20代は人権に関するイシューに、60代は社会制度・インフラに関するイシューにそれぞれ解決優先度を高く置いていた。
両年代の解決優先度の差分を大きい順にランキングにすると、シニア層の優先度が高い課題は「年金制度(差分28.6ポイント)」がトップに。この他「インフラの老朽化(差分24.0ポイント)」「電力・ガスなどのエネルギー不足(差分23.6ポイント)」「老々介護・認認介護(差分22.0ポイント)」「孤独化(差分21.4ポイント)」が上位に挙がった。
一方、若年層は「同性婚制度の整備(差分17.2ポイント)」や「ジェンダー意識(差分13.7ポイント)」「LGBTQ+(差分13.2ポイント)」といったイシューの解決優先度を高く捉える傾向があった。
【調査概要】
調査対象:全国の15歳~69歳の男女1,145サンプル
調査時期:2023年3月28日(火)~3月30日(木)
調査手法:インターネット調査
調査委託先:マクロミル
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