NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション(以下NTTコム オンライン)は、「業界別NPSベンチマーク調査」業界横断分析レポートを発表した。
同レポートは全15業界での顧客アンケートの受け取り状況や、アンケートの回答が反映されているかどうかの実感、またそうした実感のロイヤルティとの関連について分析したもの。対象15業界は以下の通り。
銀行、生命保険、代理店型自動車保険、ダイレクト型自動車保険、対面証券、ネット証券、クレジットカード、電力、都市ガス、自動車、白物家電、リフォーム、総合型旅行会社、ネット専業型旅行会社、セキュリティソフト
調査結果の概要は以下の通り。
1.リフォームや総合型旅行会社、対面証券業界はアンケートを受け取った率が高い
調査対象の企業から送付される、「商品やサービスの改善や品質向上を目的とした顧客向けのアンケートを受け取ったことがあるか」を調査したところ、15業界平均では38.5%がアンケートを受け取った経験があると回答した。業界別にみると、最も高いのはリフォーム(59.6%)、次いで総合型旅行会社(51.6%)、対面証券(49.0%)と続いた。一方で白物家電(21.7%)や都市ガス(27.8%)、銀行(28.8%)においては割合が低い結果となった。

※NPSベンチマーク調査の回答者における、顧客アンケートを受け取った経験があると回答した割合であり、企業が実際に送付している顧客アンケートの割合とは異なる
2. Webは電力やクレジットカード、紙面ではリフォームや生命保険で回答率が高い
顧客アンケートを受け取った経験がある人に、アンケートの回答状況を分析したところ、15業界平均でのWebアンケートの回答率は60.7%となり、紙アンケートの回答率(20.3%)と比較して高くなった。業界別にみると、Webアンケートの回答率が最も高いのは電力(77.5%)、次いでクレジットカード(75.6%)となった。一方でリフォームや生命保険においては紙の回答率も比較的高い結果となった。

3.回答が商品やサービスの改善に反映されていると感じる人のロイヤルティは高い
アンケートに回答した後に、「アンケートの声が対象企業の商品やサービスの改善に反映されている実感があるか」を調査したところ、最も多いのは「どちらでもない」(51.7%)となり、「とてもそう感じる」や「ややそう感じる」と回答した割合は36.2%にとどまった。

さらに、アンケートの声が商品やサービスの改善に反映されている実感別にNPSを分析したところ、「とてもそう感じる」と回答した人のNPSは50.7ポイントと高く、反映されている実感があるほどロイヤルティが高くなった。顧客アンケートを通じた商品やサービスの改善サイクルにより、顧客の声が改善に反映されている実感を醸成することがロイヤルティ向上に寄与することを示唆する結果となった。

4.NPSが高い企業では回答が改善につながる実感も高い傾向に
アンケートの声が商品やサービスの改善に反映されている実感について、各業界のNPSトップ企業とボトム企業との差を分析したところ、NPSトップ企業のほうがその実感が高い傾向がみられた。

また、NPSトップ企業においてアンケートの声が商品やサービスの改善に反映されている実感が高かった企業としては、セキュリティソフト部門1位のESETや、銀行部門の住信SBIネット銀行、対面証券部門の三菱UFJモルガン・スタンレー証券などとなった。
これらの企業では、顧客アンケートの受け取り率も高く、定期的なアンケートだけでなく手続きの直後や問い合わせの直後といったタッチポイントごとの調査の受け取り率が高い傾向がみられた。アンケートを通じて、顧客の要望を把握しスピーディな改善サイクルを構築することが、ロイヤルティ向上に関する重要なキーとなるといえる。
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