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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2026 Spring

MarkeZine Day 2026 Spring

パナソニック コネクト・コクヨが実践するBtoBマーケティングの顧客理解、顧客の「先」を見る技術

顧客からの信頼を得るために、失敗事例も正直に伝える

 体験の場で本音を引き出すコクヨがもう一つ重視するのが、「失敗事例を包み隠さず話す」ことだ。自社オフィスで試みたものの、うまくいかなかった取り組みを率直に共有するという。

「オフィスに卓球台を置いてコミュニケーション活性化を試みました。しかし、コロナの流行中だったこともあり、感染リスクを気にしながら出社してきた社員が、わざわざ卓球をする雰囲気にはならなかった。結局、ほとんど使われなかったんです。そういう失敗も含めて、顧客と同じ課題に取り組んだ経緯として正直に伝えています」(小川氏)

 成功事例だけを並べると「コクヨだからできる」で終わってしまう。失敗も話すことで、「そのコクヨが提案してくれるなら乗ってみるか」という信頼が生まれる。関口氏も「先に失敗して、それを正直に伝えることがお客様に刺さる」と深く頷いた。

 関口氏はさらに、顧客との関係性そのものを再定義すべきだと説く。

「ツールがあるから価値が生まれるのではなく、顧客がそれを使いこなして初めて価値が生まれる。だからこそ、共に価値を生み出すパートナーとして顧客を捉えるべきなんです」(関口氏)

 失敗を正直に語ることも、顧客を価値の創造者として捉えることも、根底にあるのは顧客への誠実さだ。サービス提供者と顧客という一方的な関係を超え、対等なパートナーとして向き合うことが、顧客の本音を引き出す鍵となる。

オープンなコミュニケーションを通じて、顧客と一緒に課題の解像度を上げることがポイントですね」(富家氏)

BtoBのN1分析は「職能横断」が重要

 顧客を立体的に捉え、対等に向き合う姿勢が信頼を生む。では、その信頼をもとに本音を組織的に引き出すには、どんな仕組みが必要だろうか。

 関口氏がパナソニック コネクトで実践するのが「N1分析」だ、1社・1人の顧客に徹底的に向き合い、インタビューを通じて言葉の背景にある本音を掘り起こしていく。富家氏が「どうN=1を選び、分析を進めるべきか」と問うと、受注した既存顧客はもちろん、失注した顧客の声を聞くことが重要だと関口氏は強調した。加えて、BtoBにおけるN1分析には独自のポイントがある。それが「職能連携」だ。

「BtoBビジネスでは営業、マーケティング、カスタマーサポートと、顧客接点を持つ職能が多岐にわたります。それぞれの部門が持つ情報を統合しなければ、誤った判断を招く恐れがあります。だからこそ、N1インタビューの結果は職能横断でレビューする必要があります」(関口氏)

N1分析で変わる情報の持ち方

 パナソニック コネクトでは、インタビュー1時間に対して分析に5〜10時間をかけることもあるという。なぜそこまでするのか。「お客様の本音や発言の背景、顧客企業内の力関係、周囲の部署からどんなことを言われているか。そういったことを深く洞察するには、今はこの仕組みしかないと思っている」と関口氏は言う。

 またN1分析は1社で終わらない。複数社に繰り返すことで仮説を検証し、必要に応じてABテストやアンケートによる定量調査も組み合わせていく。そこから便益と独自性を導き出し、コミュニケーションアイデアとプロダクトアイデアを同時に議論する。

「商品企画とマーケティングコミュニケーションを別々に考えると、またサイロ化してしまいます。お客様の声を元に、両方のアイデアを同時に議論することが重要なんです」(関口氏)

 関口氏はN1分析の注意点として「1社を深掘りしたからといって、市場全体を把握できたとは言えない」と語る。1社の深掘りと市場全体の理解を往復しながら、継続的に顧客理解の精度を高めていく必要がある。

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顧客を組織の共通言語にする、事業マーケティングBlueprintの全貌

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この記事の著者

尾倉 直弥(オグラ ナオヤ)

SaaS企業のマーケター。専門はBtoBマーケティング。複数メディアでライターとしても活動中。https://x.com/ogurin91

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2026/04/02 08:30 https://markezine.jp/article/detail/50566

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