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EC業務に変革をもたらすAI 共存の先に見えるものとは

会話で購買する未来にどう備える?Salesforceに学ぶエージェンティックコマースの今

EC担当者の業務は「作業」から「設計」へ変わる

━━事業者(EC担当者)側の業務には、どのような変化が起きるのでしょうか。

 私たちが目指しているのは、EC担当者が「作業者」から「体験の設計者」へとシフトすることです。その中核となるのが「Merchant Agent」の提供です。

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 たとえば「ジャケットを上位表示して」といった自然言語による指示を伝えるだけで、AIが自動でマーチャンダイジングのルール生成や商品の最適配置を実行してくれます。

 また、ビジネス管理画面も大きく進化し、新しい「Custom Workspaces」をリリースしました。コンテンツ制作や商品登録など、担当者の役割やタスクに合わせてパーソナライズされた最適なワークスペース環境を提供します。

━━運用面での自動化・効率化はどこまで進むと考えればよいでしょうか。

 定型業務やルール化可能な判断の多くはAIが担うようになります。たとえば注文管理(Order Management)においては、AIによる最適な「注文ルーティング」に加え、インテリジェントな分析機能(Analytics)が実装されました。注文の遅延リスクなどを事前に察知し、Slackと連携して迅速にチームへインサイトを共有します。

 さらに、在庫レコードの処理能力は従来の5倍、対応フルフィルメント拠点数は7倍へとスケールアップしており、繁忙期でも安定した運用を支援します。 人間はAIというパートナーを得ることで、「どのようなブランド体験を顧客に提供すべきか」という戦略設計や価値創造に集中できるようになります

AIの真価を引き出すデータ戦略の第一歩

━━Agentforceが真価を発揮するためには「Data360(旧:Data Cloud)」による顧客データの統合が不可欠だと思います。データ整備が遅れている企業は何から着手すべきですか。

 最初に取り組むべきことは3つあります。1つ目は、商品データの「構造化」です。スペックや用途など、AIが特徴を認識しやすい形で整備しなければ、正確なレコメンドは行えません。

 2つ目は、部門間のデータ統合です。ここで鍵となるのが、Data360の「Zero Copy Access(ゼロコピーアクセスシステム)」です。物理的なデータのコピーを介さずに、EC部門とマーケティング部門などの部門間でデータを直接取得、活用できるようになります。この際、特定のコンポーネントをマスキングしてセキュリティとデータの整合性を保ちながら連携できるため、運用上の障壁を大幅に下げることができます。

  そして3つ目が最も重要で「特定のユースケースから始めること」です。最初からすべてを整えようとせず、まずは「ギフトの相談」など1つのテーマで成功体験を作り、それを広げていく思想が重要です。

━━AIを安定稼働させるためには、インフラの安定性も必要不可欠かと思います。その点に関してはいかがでしょうか。

 インフラの高い安定性は、Salesforceの大きな強みです。サイバーウィークでは、5,000万件の注文を稼働率100%で処理し、AIによるレコメンド数は300億件に達しました。さらに、APIコール数は前年比30%以上増加しています。

 今後、Agentic Commerceの普及により、AIエージェントが検索・提案・購買支援・注文処理を担う場面が増え、ヘッドレスコマースの拡大に伴って、フロントエンド、決済、在庫、OMS、CRMなど外部システムとのリアルタイム連携も一層増加します。こうした環境では、急増するAPIトラフィックにも耐えながら、常に安定して顧客体験と取引を支え続けられる堅牢なインフラが、コマース基盤の必須要件となります

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AIは人の代替ではなく分身。日本独自の「おもてなし」をデジタルでも実現

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2026/07/07 08:30 https://markezine.jp/article/detail/76978

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