診断の読み解き方:経営陣と現場の「認識のズレ」こそが危機のサイン
この診断結果をどう読み解くべきか。基準はシンプルです。
各領域で3つ以上該当する項目があれば、その領域のOSは完全に「旧世代(古い)」です。逆に、1つの領域でも更新の兆しが見られれば、そこから組織を変える「改革の余地」が残されています。もし5領域すべてが高スコア(多数該当)であれば、もはや現場レベルでの改善は不可能です。トップ主導でOSそのものを根こそぎ入れ替えるしかありません。
そして何より、この診断プログラムは「経営陣が現場の現実をどれだけ把握できているか」を炙り出すツールでもあります。
経営陣と現場のそれぞれにこの診断をさせてみてください。もし双方の回答に大きな認識の差が出たとすれば、それこそが最もクリティカル(致命的)な状況です。経営者がやるべきは、これらの項目を一つひとつ直視し、全体最適の視点から「あるべき姿」へ対処していくことに他なりません。
AI時代、広告会社は「大多数がフロントマン」へシフトする
具体的な変革の方法論はまたの機会に譲るとして、広告会社がこのAI時代に組織や職能をどう再編すべきか、極めて明確に予言できることがあります。
それは、組織全体の「フロント(顧客接点)へのシフト」です。
極論を言えば、社員の大多数が「営業(フロントマン)」になるということです。従来の営業のように、クライアントの要望を社内に持ち帰り、社内スタッフに伝えるだけの“御用聞き”はもう要りません。クライアントと対峙したその場で、みずから課題を解決する高い職能を持ったフロントマンへと変わる必要があります。AIの進化によって、バックエンド(後方支援や実務作業)の人員はほとんど必要なくなるからです。
これまで広告フォーマット(TV、新聞、デジタルなど)別に細分化されていたクリエイティブの職能も、その境界線は意味をなさなくなります。当面の間、求められるのは全体を統括する「トータルディレクション」だけになるでしょう。
