富士通総研は、「ケータイASPサービス」の利用実態を分析した「第2回ケータイASPベンダー調査」の結果を発表した。「ケータイASPサービス」とは、携帯サイト、メール配信、通販などの複数の機能を携帯電話向けにASP形式で提供する有料サービスのこと。本調査は、同サービスを提供するベンダー27社を対象に行われ、11社から回答を得た。
発表された資料によると、ベンダー11社のケータイASPサービス契約数合計は、2007年9月末現在で17,853件。2004年に実施した1回目の調査結果と比較すると、この3年半で約7.5倍に成長している。対前年比では、2005年は202%、2006年は197%、2007年は155%と徐々に低下しているものの、依然として高い水準を保っている背景には、パケット定額制の普及と、ケータイ活用に積極な企業姿勢があるようだ。
しかし、技術革新が早い携帯市場においてベンダーは厳しい環境にあり、前回調査対象となった23社のうち、同一会社で同じサービスを提供しているのは8社のみ。残りの15社で、サービス内容が変更または中止となっている。しかし、この市場環境で契約数No.1となったのは、デザイン性の高いメール配信など、ケータイASPの中でもっとも網羅的なサービス「BeMSS」を展開するビートレンドで、契約数は6,702件。前回1位で、「MO-ON」と「Mobile MK」の2つのサービスを展開するダブルクリックは、契約数4,000件で2位。3位はエフ・イー・エス(3,800件)、4位は、NECモバイリング(1,500件)となっている。
また、契約数の多い業種としては、前回調査時同様「流通・小売」や「飲食」が引き続き上位となり、「ファッション・アクセサリー」、「交通・レジャーサービス」の契約が増加傾向にある。また、契約企業の主な利用目的は「店舗への来店誘致」がもっとも多く、「会員獲得・管理」が続いている。日本マクドナルドの「“トクする”ケータイサイト」の登録者数は200万人を超えると言われ、大規模な人数を対象としたケータイキャンペーンを実施するケースも増えている。このような動きから、企業のケータイ活用は本格的な広がりを見せる段階に入っているようだ。
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