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劇的に変化するサーチ・マーケティング領域

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 本連載では、ここ数年で劇的な変化が起こりつつあるデジタルマーケティングの未来像を解き明かしていきます。今回は、ここ数年で行った検索エンジンマーケティングの変化と、今後注目の動向について、紹介していきます。

この数年で急成長を遂げたSEM市場

 「2005年の世界では誰もが検索を日常的に利用しているはず(だから検索にフォーカスしたマーケティングが必要になる)

 私は、1997年頃に、このように未来を予想した。当時、某ポータルサイトの採用試験を受ける前に考えていたことだが、現実に日本でその検索エンジンマーケティング(SEM)が注目され始めるのは、もう少し早い時期だった。

 「○○○で検索」という、検索窓にキーワードを表示して、生活者をウェブへ誘導するよう促す広告は、今やすっかり定着している。こうした広告手法が成立するのは、インターネットにおける検索行動、あるいは生活者の情報取得における検索サービスの存在・利用が、日常にすっかり浸透してきたことの反映とも言える。このような、検索を利用したマーケティングが本格的に立ち上がったのは、2002年だ。

 同年に、グーグルとオーバーチュア(当時、現ヤフー)が相次いで検索に連動した広告サービスを開始。同時期に、オーガニック検索からの誘導増を狙った検索エンジン最適化(SEO)サービスも新聞や雑誌の特集で取り上げられ、注目されるようになった。

 Yahoo! JAPANをはじめとする、大手ポータルサイトに少額から広告を出稿できること、クリックに対してお金を払えば良いこと、そして検索からのトラフィックは成約率が他と比べて高いこと、などから、徐々に市場は拡大。2010年の検索連動型広告市場規模は、約2,000億円(PC領域のみ/出所:2010年 日本の広告費)に達した。

 ネット広告費に占めるSEMの予算は、欧米(40-50%弱)ほどに高いわけではないが、現在では中小企業だけでなく、従来マス広告に多くの予算を投下してきた企業も、一定程度の予算を検索連動型広告に向けるようになった。

 検索連動型広告は「運用」が求められる広告だ。予算規模の拡大、出稿キーワード数の増加、クリエイティブの作成・編集、成果状況に応じた掲載順位やCPCの管理なども高度・複雑化している。こうした市場変化に対し、欧米で広がっていた金融工学を応用した入札管理ツールが、相次いで日本に参入してきた。Efficient FrontierやKenshoo、SearchIgnite(現Ignition One)、SearchForce、SearchCenterなど、メジャーどころは軒並み日本でもサービスを提供している。

 大量のデータ分析を通じた、高度な管理運用が完全自動化できるようになったようにも見えるが、運用する人間が不要になっているわけではなく、データを読み取り、何をすべきかの判断・意思決定をしていく人間が、必要であることはいうまでもない。

 一方のSEOは、トラフィックよりも検索順位、サイト最適化よりもリンク張り、ロングテールよりもショートテールといった、欧米と対比して特異な市場傾向が見られる。しかし、検索からのトラフィック獲得の一手法、広告と違いクリックに費用が発生しない、検索上位に表示、というわかりやすいメリットもあり、こちらも市場が拡大してきた。

 SEOは正しくは「検索エンジンフレンドリーなサイト構築技術」であるため、ウェブ制作費用やシステム開発費など、一般的なサイト運用に発生するコストと切り離せないため、市場規模を推測することはきわめて難しい。しかし、それでも単純にSEO関連ツールや典型的な成果報酬型SEOの市場などから判断すると、少なくとも200億円程度の市場があると考えられる。


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