カルチュア・コンビニエンス・クラブは、翔泳社が運営するマーケター向けの専門メディア「MarkeZine(マーケジン)」とのコラボレーション企画として、ビッグデータに関するアンケート調査を実施した。同調査は今回で2回目。
IT部門よりもマーケティング部門のほうがビッグデータへの感度が高い
「ビッグデータ」についての情報収集状況をたずねたところ、全体で見ると「勉強・情報収集をしている」が7.8%、「どちらかといえばしている」が10.6%という結果となり、興味の度合いに比べ、情報収集に力を入れている人は少ないようだ。
職種別に見てみると、マーケティング部門では「勉強・情報収集をしている」が11.8%、「どちらかといえばしている」が14.8%、IT部門では「勉強・情報収集をしている」が8.1%、「どちらかといえばしている」が11.6%との結果となり、IT部門に比べてマーケティング部門に属する人がより情報収集に積極的であることが明らかになった。
2012年・2013年で最も売れたビッグデータ関連書籍
※全国の「TSUTAYA」「蔦屋書店」のうち書籍・雑誌を販売する734店舗の「TSUTAYA BOOKNETWORK」加盟店舗において、2012年1月1日~10月31日と、2013年1月1日~10月31日のそれぞれの集計期間において「ビッグデータ」関連書籍の販売実績を比較した。
また、2012年と2013年のそれぞれの年で売れた「ビッグデータ」関連書籍の販売実績を比較したところ、2012年のビジネス書カテゴリ販売実績の最上位は『データ分析できない社員はいらない』(インプレスコミュニケーションズ)となり、ビジネス書カテゴリのランキングでは189位であった。購買者ヒストグラムで見ると、男性が約7割、女性が約3割、また年代のボリュームゾーンでは30代が約4割だった。
一方、2013年の最上位は『統計学が最強の学問である』(ダイヤモンド社)となり、ビジネス書カテゴリのランキングでは14位であった。購買者ヒストグラムは男性が約8割、女性が約2割、また年代のボリュームゾーンでは、20~40代まであまり差はなく、それぞれ約2~3割となった。
ビッグデータの保有認識
続いて回答者自身が働いている会社や団体などが「ビッグデータ」を保有しているかどうか、現状認識を確認したところ、マーケティング部門では「保有している」が27.1%、「おそらく保有していると思う」が30.0%となり、合計で57.1%の人が自社が「ビッグデータ」を保有していると回答した。またIT部門では、「保有している」が27.8%、「おそらく保有していると思う」が19.7%となり、こちらも合計で47.5%と半数近い結果に。
IT部門の約2割はビッグデータ活用に興味なし
さらに「ビッグデータ」の活用状況について聞いたところ、マーケティング部門の13.3%、IT部門では19.7%が「すでに活用の取り組みを進めている」と回答。その一方で、マーケティング部門の14.3%、IT部門の22.7%が「関心はなく、活用の取り組みも行っていない」と回答した。ただ、マーケティング部門の36.9%、IT部門の31.8%が「関心はあるが、活用の取り組みは特に行っていない」と回答しており、活用までは至っていないものの、今後の「ビッグデータ」の利用拡大がうかがえる結果となった。
一般企業と広告代理店で異なるビッグデータ活用の目的
また「ビッグデータ」がどういったものに活用されるべきであるのかを聞いたところ、全体で見ると1位が「業務実行の精度向上」(28.1%)、2位が「新規商品・サービスの投入」(21.7%)、3位が「意思決定の迅速化」(12.7%)となった。
こちらを職種別で見ると、マーケティング部門の一般企業マーケティング担当は、1位が「業務実行の精度向上」(29.1%)、2位が「新規商品・サービスの投入」(22.7%)、3位が「意思決定の高度化」(17.3%)という結果に。
加えてマーケティング部門の広告代理店では、1位が「業務実行の精度向上」(28.0%)、2位が「意思決定の迅速化」(23.7%)、3位が「新規商品・サービスの投入」(21.5%)となり、マーケティング担当の中でも、ビッグデータの活用に関する考え方が少しずつ異なっているようだ。一般企業マーケティング担当は実務を実行する上での活用が重要であると考えているのに対し、広告代理店では経営判断をする上での活用に重きを置いていることが明らかになった。
ビッグデータ活用の道筋
最後に、今後「ビッグデータ」がどういった領域に活用が増えていくのかを聞いたところ、全体で見ると1位が「商品・サービス企画開発」(58.9%)、2位が「経営計画・戦略」(40.7%)、3位が「顧客の獲得や維持」(34.4%)という結果となった。
これらを職種別で見てみると、マーケティング部門の一般企業マーケティング担当は、「商品・サービス企画開発」(74.5%)が圧倒的多数、続いて2位は「顧客の獲得や維持」(43.6%)と「経営計画・戦略」(43.6%)となり、「ビッグデータ」が商品開発やCRMへの活用領域へ拡大していくと考えている人が多いようだ。
一方、マーケティング部門の広告代理店では、1位が「商品・サービス企画開発」(45.2%)、2位が「経営計画・戦略」(40.9%)、3位が「販売促進」(37.6%)となり、「ビッグデータ」は商品開発とその販促への活用領域への拡大を考えていることが明らかになった。
【調査概要】
調査方法:インターネット調査(Tアンケート)
調査期間:2013年11月22~26日
調査地域:全国
調査対象:23~49歳の男女(T会員)
サンプル数:604人
【関連記事】
・新生銀行、CCCと金融サービスへのTポイント付与提携へ~顧客規模拡大を目指す
・凸版とCCC、「Tポイント×Shufoo!」アプリ上で「電子DMお届けサービス」スタート
・リクナビ、ビッグデータ解析でオススメ企業のレコメンドを強化
・大日本印刷、「価値観クラスター」とビッグデータを組み合わせたサービスを来年1月スタート
・「データ」「膨大」「宝」…立場によって変わるビッグデータへの理解【ビッグデータに関するアンケート調査】