セールスフォース・ドットコムは、消費者のSNSにおける承認欲求について、消費者3,720名へのアンケートを通じて調査を実施した。調査の結果、承認欲求は「その強さ(どのくらいいいね!が欲しいか)」と「ベクトル(承認の数を重視するか、承認の相手を重視するか)」が人それぞれ違い、それによって利用するSNSの種類や利用方法に特徴が現れることがわかった。
承認欲求は、4つのタイプに分類できる
調査の結果、消費者の承認欲求は「強さ」と「ベクトル」によって、大きく4つのタイプに分類できることが判明した。
1:リア充アイドル(承認欲求が強い×承認の数を重視)
承認欲求が最も強く、SNSを最も頻繁に利用するタイプ。10~20代の割合と、TwitterとInstagramの利用率が最も高くなっている。充実した毎日を送っている自分を幅広い人に見てもらい、多くの承認を得たいと考えている。
2:ミーハー社交家(承認欲求が強い×承認の相手を重視)
承認欲求は強いものの、ソーシャルメディア上では分別のある行動をとるタイプ。Facebookの利用率が最も高くなっている。好奇心旺盛かつ多趣味で、幅広い交友関係を持ち、SNS上で積極的に交流しています。
3:議論系オタク(承認欲求は弱い×承認の数を重視)
承認欲求は弱いものの、趣味や好きなことに関する投稿は活発に行うタイプ。男性の比率が最も高く、Twitterをよく利用している。SNSを通じて、趣味に関する情報収集や、同じ趣味を持つ仲間との交流を楽しんでいる。
4:協調的フォロワー(承認欲求は弱い×承認の相手を重視)
承認欲求が最も弱く、ソーシャルメディアの利用は最も消極的なタイプ。40~50、60代の割合が最も高くなっている。家族やママ友などの比較的狭い人間関係の中で、周囲に気を遣いながらSNSを利用している。
承認欲求は、SNS上の行動にも影響を与える
また同調査では、承認欲求がSNSの利用にどのような影響を与えるのかについても分析した。その主なトピックとして、以下の5つがある。
1:承認欲求のベクトルは「年齢」と「年収」で変わる
年齢が若いほど「承認の数」を重視するが、年齢を重ねるほど「承認の相手」を重視する。また年収で比較してみると、高所得者のほうが「承認の数」を重視する傾向があった。
2:シニアは、Facebookで活発に交流する
各種メディアで指摘されている「10代のFacebook離れ」は、同調査でも確認できた。一方で、Facebookを最もアクティブに利用しているのは60代であった。この年代は「承認の相手」を最も重視するため、リアルの人間関係をほぼそのまま反映する Facebookを好むのだと考えられる。
3:他人の力を借りる10代、自分の道を行く60代
他者の写真や投稿を最も拡散するのは10代だった。この年代は「承認の数」を最も重視するので、他者の力を借りることで自分のいいね!を増やそうとしていると推測される。一方で60代は、自分自身の情報発信に集中していると考えられる。
4:若いほど、複数人格を使い分ける
年齢が若いほうが複数のSNSとアカウントを使いこなし、承認されやすい自分(=素敵な自分)と承認されにくい自分(=人に知られたくない自分)使い分けていることがわかった。
5:Twitterは「素の自分」、Instagramは「よそいきの自分」
TwitterとInstagramは、10~20代にとって身近なSNSだが、それぞれに求める承認欲求は異なっている。前者には「普段の自分」を、後者には「特別な自分」を認めてもらいたいという欲求を持っていると考えられる。
【調査概要】
調査手法:Webアンケート
有効サンプル数:3,720名(SNSに1ヵ月に1回以上投稿する15~69歳の男女)
調査主体:セールスフォース・ドットコム
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