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デジタルだけでは差別化できないからこそアナログを使おう!KPI、セグメント、シナリオ設計はどうやるか

一筋縄ではいかないセグメントの切り分け

 次に、成果を上げるためのセグメントとターゲティングをどう設定すればいいのか。セグメントとターゲティングは、口でいうほど簡単には設定できない難しいポイントだ。

 なぜ難しいのか。中村氏は、その理由を次のように説明する。「通常、顧客の購買行動はアナログとデジタルを行き来するものなので、絵に描いたカスタマージャーニーのようにきれいな話になりにくいからです。

 BtoBでは、購買フェーズをベースに『この顧客は、まだ興味・関心の段階なのか。それとも一歩進んで、具体的な製品の検討をしているのか』などを考えてセグメントし、メッセージを伝えていきますが、役職や、これまでの情報収集の進み具合によってメッセージを変えなくてはなりません。つまり、『どんな状態にいる、どんな人なのか』を考えてコミュニケーションしなくてはならないのです」

 こういう状況下で、デジタルとアナログをどのように取り入れていくべきか。中村氏は「2つを融合したシナリオを考える上で、時間が重要なポイントになります」という。簡単にいえば、それぞれのコスト効果や特性を考え、アナログは「時間をかけた態度変容」が得意で、デジタルは「何度も接触する」ことに適しているという棲み分けだ。

シナリオ設計のポイント

 アナログの場合、コストや工数はかかるものの、時間をかけてじっくり話を聞いてもらったり、理解を深めてもらったりする効果が高い。だからこそ、購買フェーズを一段進める強力な効果がある。

 一方デジタルは、1アクション当たりのコストが安く、同じ人に何度も接触できるという強みがある。そのため、デジタルだけで態度変容や購買行動を起こさせることができれば、前述したように、コスト効率は圧倒的に良い。

 ただ、どんなにメールやWebや広告でメッセージを伝えても、まったく行動に変化がない人は一定数存在する。中村氏は、「むしろ、そういう人の割合の方が多いはずです」という。こういう場合は、やはりイベントやカンファレンスといったアナログ手段が有効だ。

デジタル+アナログのシナリオはこう設計しよう

 以上を踏まえた上で、中村氏は、「展示会を起点とし、デジタルとアナログを融合したシナリオ」を例に、その設計ポイントを紹介した。

 ニーズが顕在化しているホットな顧客に対しては、定石どおりサンクスメールを送信した後、電話で商談に向けたアポ取りをする。この層に対しては、デジタルとアナログの組み合わせ法より、「抜け漏れなく、アクションを取っていくことがポイント」だと中村氏は指摘する。

 将来の購買意思があるウォームな顧客に対しては、すぐに電話商談につなげず、シナリオメールを通じて、興味を持ち続けてもらう施策が効果的だ。ただしこれだけではなかなか態度変容につながらない。たとえばメールを2通続けて送って反応がなければ、DMなどでセミナーに誘導し、アナログ施策で訴求する。まだ関心を持っているだけの段階ならば、デジタル広告やDMを送信し、資料請求やセミナー参加の意思があるかを確認し、次の施策につなげていくことが有効だ。

 休眠顧客に対しては、担当者名でメールを送ることで、リアクションにつながることがある。何か反応があれば、電話をかけてセミナーへの誘導やホワイトペーパーのダウンロードにつなげるという手もある。また、まったくノーリアクションだった人が、突然Webサイトにアクセスするようであれば、状況が変わり、購買意思が急に高くなったと考えられる。この場合はメールやWebではなく、電話で直接状況を聞くことで、適切な提案につなげられる。

 とはいえ、「口でいうのは簡単でも、これを実施しようとすると、かなり難しいのは事実です」と中村氏も認めている。

 なぜ難しいかといえば、顧客の行動も複雑ならば、セグメント化するための条件設定も複雑だからだ。たとえば「1年以上の休眠顧客で、1週間前に送信したメールに反応があり、ランディングページを最後まで閲覧して、電話対応でNoといっていない人」というだけでも複雑だ。もし、電話営業担当者のためのCRMシステムと、メール配信システムを別々のプラットフォームで行っていれば、条件が重なるほど検索が困難になる。

 シャノンでは、複雑かつ詳細な条件でのセグメンテーションが可能で、KPIを日々確認できるマーケティングオートメーションツールを提供している。中村氏は「アナログとデジタルを融合した施策においては、その2つを融合したセグメントを行い、施策の成果を日々チェックすることが、効果を最大化するポイントです」と説明し、講演をしめくくった。

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この記事の著者

岩崎 史絵(イワサキ シエ)

リックテレコム、アットマーク・アイティ(現ITmedia)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆のほか、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2018/05/15 10:00 https://markezine.jp/article/detail/28241

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