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【新年特集】2025→2026 キーパーソンによる予測と展望

2026年、競争の舞台は「意思決定と行動」へ。西口一希氏が示す、未来を拓く「学習駆動アクション」とは

意思決定を実行につなげるための「3Sアクション」とは

──AI時代を生き抜くには、企業やマーケターは意思決定と行動にフォーカスしていく必要があるのですね。

 AIは「何が最適か」の選択肢を並べることは得意ですが、最後に「これで行くぞ」とリソースを投下する覚悟を決めるのは、まだ人間の役割であることが多いですよね。

 仕事というのは、分解すれば「Start・Stop・Scale」の3つの意思決定しかありません。この「3つのS=3Sアクション」のどれを行うかを決めるのが経営であり、マーケティングです。3Sアクションは、判断軸に基づいて決めたことを、現実世界に戦略的に接続するスイッチなのです。

・Start(始める):
新しい仮説に資源を投じ、検証する。不確実な未来に対し、検証可能な仮説を持って現実に触れる、戦略的な第一歩

・Stop(やめる):
機能していない取り組みを終わらせ、資源を作る。成果の出ない取り組みを止めることは、損失を防ぐだけでなく、新たな挑戦のための資源(人・金・時間)を生み出す

・Scale(拡大・再現する):
成功の兆しを捉え、仕組みにする。個人の成功や部分的な成果を、組織全体で再現可能なプロセスへと広げることで、成果は一過性の「点」から持続的な「面」へと進化する

 これらを一度きりで終わらせては意味がありません。3Sアクションを循環させ、組織の成長エンジンに変える仕組みである学習駆動アクションを作り、回していくことが重要です。

アクションを“成長エンジン”に変える学習の仕組み

──学習駆動アクションについて詳しく教えてください。

 学習駆動アクションの核心は、一つの行動が必ず次の優れた意思決定につながるよう、学習の仕組みを設計することにあります。まずアクションを起こす前に、以下の2つを定義することが不可欠です。

  1. 成功指標:何が起きたら「成功」と見なすか
  2. 反証条件:何が起きたら「失敗」と見なし、撤退するか

 これらを事前に決めることで、行動は「賭け」から「実験」へと変わります。成功指標を満たせばScaleへ、反証条件に該当すればStopへ。どちらに転んでも必ず学習が確定し、次のStartの精度が高まります。

 また、学習を組織の知見として積み上げるために有効なのが「意思決定ログ」です。これは単なる報告書ではなく、「なぜその判断をしたのか」「何を前提にしたのか」「何を捨てたのか(代替案は何か)」といった思考の記録です。このログを作ることで過去の判断と結果を参照でき、同じ議論を繰り返すことなく意思決定のスピードと質を飛躍的に向上できます。

 そして、ここでAIが真価を発揮します。AIは蓄積されたログを瞬時に検索・要約し、類似事例を出したり、論点の抜けを指摘したりできます。AIに答えを出させるのではなく、「人間がより良い判断を下すための摩擦を減らす」こと。これこそが、最も価値あるAIの活用法です。

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常に学習と実行のサイクルを回し続ける

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この記事の著者

吉永 翠(編集部)(ヨシナガ ミドリ)

大学院卒業後、新卒で翔泳社に入社しMarkeZine編集部に所属。学生時代はスポーツマーケティングの研究をしていました。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

西口 一希(ニシグチ カズキ)

大阪大学経済学部卒業、プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン(P&G)マーケティング本部に入社。ブランドマネージャー、マーケティングディレクターを歴任。ロート製薬 執行役員マーケティング本部長として「肌ラボ」「Obagi」「メラノCC」「デオウ」「ロート目薬」などの60以上のブランドを統括。ロクシタンジャポン代表...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2026/01/26 08:30 https://markezine.jp/article/detail/50281

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