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イベントレポート

ブランド誕生10周年 韓国コスメ「ロムアンド」の成功を支える“コタク戦略”に迫る

個別取材:創業以来貫く“コンテンダクツ”の姿勢

 ここからは、パク氏への個別取材の内容をお届けする

──ブランド誕生10周年おめでとうございます。御社の2,000億ウォン超の全体売上のうち、ロムアンドを筆頭にした化粧品事業の売上は90%以上を占めるそうですね。現在の事業規模は想定どおりでしょうか?

 ありがとうございます。正直に申し上げると、ここまでの規模になることはまったく考えていませんでした。10年後の売上高を綿密に計画してスタートしたわけではなく、ただ生き残ることを目指してスタートしたんです。

 途中で状況が変わり、改めて高い目標を掲げたことで、私たちはさらに努力しなければならなくなりました。10年前の私たちが今の成果を見たら、驚きとともに大きな喜びを感じるはずです。

──事業を成功に導いた最大の要因は何だとお考えですか?

 理由は多岐にわたりますが、主な成功要因は消費者とのコミュニケーションにあります。コミュニケーションを支えるコンテンツこそ、当社の差別化ポイントです。私たちは創業当初から「コンテンダクツ」という言葉を大切にしてきました。

──コンテンダクツとは、どのような意味を持つ言葉なのでしょうか。

 コンテンツ(Contents)とプロダクツ(Products)を融合させた、私たちの造語です。会議中に即興で生まれた言葉ですが、プレスリリースでも使われるようになりました。「コンテンツとプロダクツは切り離せないものである」という考えを、私たちは10年間ずっと貫いています。

──ポップアップイベントは話題性があるものの、売上に直結させるのは難しい側面もあります。御社では今回のイベントをどのような活動として位置付けていらっしゃいますか?

 実のところ、これについては売上への期待をそれほど大きくは持っていません。今回のイベントはあくまで私たちのコンセプトを伝え、新商品を紹介するための“シナリオ”という位置づけです。インフルエンサーやメディアの関係者もお見えになるため、新商品が店頭に並んだ際の認知度向上には大きな役割を果たすと期待しています。

コタクの声は10万人規模のコミュニティで収集

──ブランドを支える「コタク(コスメオタク)戦略」についても詳しく教えてください。

 私たちは「ファンダムコマース」と呼んでいます。ブランドのペルソナを「コスメのオタク」と定めたことで、新製品の形状や色を決める際に迷いがなくなりました。以前は人気ブランドを真似るべきだという内部の声もありましたが、ペルソナが明確になったことで、何を作るべきかがはっきりしたんです。全員を満足させるよりも、一人のコスメオタクを完全に満足させる。そうすれば、満足したお客様が自ら熱狂的に口コミを広めてくださるようになります。

──コスメオタクたちのリアルな声は、どのように集めているのですか?

 私たちは「コスメオタクパーティー」という長期的なFGI(フォーカスグループインタビュー)を現在進行形で実施しています。また、3年前にはコミュニティアプリ「コハ(COHA)」を立ち上げました。そこでは自社だけでなく他ブランドの情報交換も推奨しており、純粋にコスメを楽しめる場をサポートしています。現在、登録者は約3万人に達しており、今後は日本語版の準備も進める予定です。

──グローバルモデルにILLITのWONHEEさんが起用されましたが、彼女もコタクの一人だとうかがいました。

 そのとおりです。これまでは「消費者が主役であるべきだ」という考えから、圧倒的なセレブリティの起用は控えてきました。しかし、WONHEEさんは学生時代からロムアンドを愛用してくださっていた本物の消費者であり、コタクでもあったのです。彼女が実際にロムアンドでメイクを学んできたというストーリーには、私たちも非常にワクワクしています。

ロムアンドのグローバルモデルを務めるILLITのWONHEEさん
ロムアンドのグローバルモデルを務めるILLITのWONHEEさん

──最後に、ブランドの展望を教えてください。

 この10年間で多くの方に認知していただきましたが、これからは新たにメイクを始める10代後半~20代前半の世代や、まだロムアンドをよく知らない世界中の消費者に向けて、10年前の初心に戻ってブランドを紹介していきたいと考えています。消費者の皆さまがロムアンドに対して抱くロイヤルティこそが、私たちの最も大切な資産です。

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この記事の著者

渡辺 佳奈(編集部)(ワタナベ カナ)

1991年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部を2013年に卒業後、翔泳社に新卒として入社。約5年間、Webメディアの広告営業に従事したのち退職。故郷である神戸に戻り、コーヒーショップで働く傍らライターとして活動。2021年に翔泳社へ再入社し、MarkeZine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2026/04/22 07:00 https://markezine.jp/article/detail/50656

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