新視点2:予算配分=ブランド重視が正解に 破滅のループを阻止
わかりやすい投資効果指標
デジタル広告の恩恵として、今では“クリック数”や“購入件数”といった数字をリアルタイムで確認できるようになりました。広告効果が直接的にわかることは評価やプランの改善にも結びつきやすく、マーケティングの現場では重宝されています。
パフォーマンス偏重はROIを下げる?
このような背景から、デジタル広告を中心とした「パフォーマンス広告/獲得広告」は、効果が数値化されやすいため、ブランド広告に比べて予算が偏りがちです。
ところが、実はROI(費用対効果)が最も高いのは「バランス型」のメディアプランだということが、調査からわかっています。たとえば、現在「パフォーマンス型」に偏っているブランドが「バランス型」に切り替えると、広告ROIは最大で90%向上する可能性があります。逆に、うまくいっている「バランス型」のブランドが「パフォーマンス型」に寄せすぎると、広告ROIは40%下がる可能性があるとされています。
なぜなら、パフォーマンス広告が主に届ける相手は、既に商品やブランドを知っている人だからです。この層だけに広告費を使い続けると、まだブランドを知らない新しい顧客に出会う機会が減り、将来の見込み顧客が育たず、成果が先細りしていきます。こうした状態は、業界レポートで「Doom Loop(破滅のループ)」とも呼ばれ、陥りやすい罠として指摘されています。
黄金比は「ブランド60%:パフォーマンス40%」
では、理想的な予算の配分はどのくらいでしょうか? 大量の実データと計量経済学の分析に基づく研究では、ブランド広告に60%、パフォーマンス広告に40%を配分することで、ROIが最も高くなるとされています。実際にブランド広告には認知を高めるだけでなく、購買を後押しする効果もあることがわかっています。つまり、ブランド広告への投資は「回り道」ではなく、長期的な費用対効果を高めるための「近道」でもあるのです。
ただし60対40はあくまで一般的な目安と言われています。商品カテゴリーや市場環境、ブランドの成長フェーズによって、最適な比率は変わります。最新の調査でも、メディアプランのタイプによって適切な配分は異なることが示されています。大切なのは「ブランド広告への投資を軽視しない」という意識を持ちながら、自社の状況に合わせて柔軟にプランを構築していくことかもしれません。
