SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

新着記事一覧を見る

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2026 Online

注目マーケティングトピックス2026

電通グループのAI戦略が構想から実装フェーズへ。新フレームワーク「PSDCA」とプロダクト群を発表

「AIによる思考の同質化」の壁を超える、2つ目のエンジン

 PSDCAでは、Planの後に、このAI Market Twin上で「Simulate(S)」を実施する。策定した戦略やプランを仮想市場に投入し、生活者の反応をシミュレートした上で計画を磨き込んでからDoへ進む。貝塚氏は「仮説検証と学習のプロセスが、Doの後からDoの前に大きくシフトする。これによってプランの成功確率が大幅に向上する」と説明した。

 このシミュレーション基盤を支える「People Model」もバージョン2.0へ進化した。シミュレーション精度は相関係数80%から90%超へ向上。また、業種特化型「People Model for Vertical」と機能特化型「People Model for Horizontal」への領域拡張が図られており、シミュレーション可能なカテゴリと時間軸が大きく広がっている。

 もっとも、シミュレーションの精緻化だけでは「AIによる思考の同質化」という壁を越えられないと貝塚氏は指摘する。AIが大量のデータを学習してシミュレーションを高度化するほど、その出力は「平均解」に収斂しやすくなる。競合との差別化や未知領域でのブレークスルーには、データの範囲を超えた飛躍——いわば「クリエイティブジャンプ」が必要だ。

 そこで2つ目のエンジンとして位置づけられているのが「Creative Thinking Model」だ。dentsu Japan専門人財の創造的思考方法を学習したこのモデルは、既存のデータやパターンから外れた革新的なアイデアや“Never Before”なクリエイティブの発想を支援する。重要なのは、AI Market Twinによる精緻なシミュレーション環境が整っているからこそ、クリエイティブジャンプの大きさに応じたリスク評価が事前にできるという点だ。大胆な飛躍と検証可能性を両立させる——この2つのエンジンを相互に機能させることで、PSDCAを通じた事業成長を支えるという設計思想である。

専門AIプロダクト群「AI For Growth Suite」をSaaS化

 続いてdentsu Japan チーフ・AI・オフィサーの並河進氏が、新プロダクト群「AI For Growth Suite」を発表した。

dentsu Japan CAIO 並河進氏
dentsu Japan CAIO 並河進氏

 「AI For Growth Suite」は6つの専門AIツールと、AIエージェントプラットフォーム「AI For Growth Canvas」、データ統合・分析基盤「AI For Growth Decision Hub」で構成される。各専門エージェントやツールは、基本SaaSでの提供となる(一部例外あり)。

 「汎用LLMはとても賢い。ただしマーケティングの実務は知らない。専門知見と実業務のやり方を学習させることが重要だった」と並河氏は開発方針を語った。

「AI For Growth Suite」
「AI For Growth」プロダクト群と提供サービス

 注目は、10種類の専門AIエージェントがチームメイトとして機能するAI For Growth Marketing Agentsだ。ここには電通のマーケター・クリエイターのメソッドや大規模調査データ、現場のナレッジが組み込まれており、戦略プランナー、商品プランナー、コピーライター、ブレストエージェントなど多様な役割を担う。また、ChatGPT Enterprise、Gemini Enterprise、Microsoft Copilotなど、クライアント企業が導入しているツールに組み込む形でも提供でき、Agent as a Service型での展開も可能だという。

次のページ
SaaSプロダクトと並行し、提供サービスも整理

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • note
注目マーケティングトピックス2026連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2026/05/28 08:30 https://markezine.jp/article/detail/50823

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング