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マッシュがアプリ刷新で導いた“最適解”。TENCOで実現した多様なユーザーに寄り添う“発見体験”

3ヵ月の要件定義が導いたマッシュにとっての“最適解”

──開発にあたり、要件定義を非常に重視されたそうですね。

「MASH STORE」のトップ画面イメージ(クリックすると拡大します)

今井:まさにそのとおりで、毎週3時間、約3ヵ月にわたって綿密に打ち合わせました。私たちが届けたい顧客体験についてビジョンをお伝えし、CORINさんには具体的な機能やデザインに落とし込んでいただく往復を何度も繰り返しました。

 要望間の整合性やブランド間の距離感、世界観の温度まで細かく検証しながら、実現が難しい機能でも「こうすれば実現できます」と、必ず代替案を提示してくれたのが印象的でした。

中村:対話の中で「ブランド間を回遊してほしいが、各ブランドのファンにとって、他ブランドのアイテムやカテゴリはノイズになる」という課題もいただきましたね。

今井:そうなんです。たとえば、「gelato pique」の世界観に浸りたい方にとっては、他のファッションブランドの情報が混ざると“温度が変わってしまう”んですよね。同様に、「gelato pique」の子ども服やペット用品が、「Cosme Kitchen」などのビューティー系を検索中の方に表示されると違和感になります。

中村:そこで7つのユーザータイプにあわせて、マッシュ様と一緒にそれぞれにとって自然な“発見導線”を設計しました。

  1. ブランドの世界観に浸りたいファン:ブランド軸の発見
  2. 目的買いの方:最短距離で辿り着けるカテゴリ軸
  3. 複数カテゴリを横断する方:生活文脈でのタイプ軸
  4. 新規ユーザー:世界観の入口となる企画・特集軸
  5. ブランド横断の新しい出会いを求める方:距離感を設計した横断導線
  6. セレンディピティを楽しむ方:AIが文脈×行動×世界観で提示する“偶然のような必然”
  7. 日常的に回遊するファン:天気やリズムに寄り添う“毎日の新しい発見”

 この7つを1つのアプリの中で自然に共存させるために、「ブランド単独ページ」と「発見サーチ」という2つの入り口を設計しました。

今井:ブランド単独ページは、ファーストビューのロゴから遷移し、ランキング・ニュース・カテゴリなどを“そのブランドの温度”で統一しています。「gelato pique」だけを見たい方は、最初からそこに飛べる。ノイズがなく、世界観に浸ったまま買い物ができるんです。

“揺らぎのない世界観”と“揺らぎのある発見”を両立

──もう1つの入り口であるサーチ機能では、どのような体験を重視されたのでしょうか。

今井:お客様のセレンディピティ(偶然の発見体験)にこだわりました。たとえばデニムジャケットが欲しい方がアプリを開いた際、目当ての服が品切れだと、通常は離脱してしまいます。

 そこでAIが行動履歴や閲覧履歴から「肌寒いときに羽織る上着が欲しい」という潜在ニーズを分析し、パーカーやブルゾンをパーソナライズして提案する。「このアイテムも良いかもしれない」と気づける仕組みを実装しました。

 実はこのAIレコメンドは、ブランド専用ページでも新たな体験を生みます。検索しなくてもパーソナライズされたアイテムが提案されることで「なんとなく滞在する」空間を目指しました。

AIレコメンドの表示画面イメージ(クリックすると拡大します)

今井:これは、マッシュグループの長期的なファンを増やすことにもつながります。というのも、マッシュグループのブランドは、ライフステージの変化と密接に関わっているのです。10代~20代前半に「SNIDEL」や「LILY BROWN」を着ていた方が、社会人になって「FRAY I.D」を手に取り、ママになるとカジュアルで実用的な「Mila Owen」を選ぶ、といった具合です。

 今すぐには響かなくても、アプリに滞在する中で別のブランドを発見し、将来的に想起してもらう。それもサーチ機能の狙いです。

 ほかにも、毎日ログインしたくなる「ガチャ」、実店舗の回遊を図る「スタンプ機能」など、我々が目指す「毎日アプリを開きたくなる顧客体験」を具体的なUI/UXに落とし込んでいただきました

「ガチャ」「スタンプ機能」の表示イメージ(クリックすると拡大します)

中村:商品詳細ページや天気に合わせたコーディネートを提案する「MASH WEATHER」もフルネイティブ化し、お客様がストレスを感じない触り心地を追求しました。画像を押した瞬間に詳細が出るスピード感や、一覧に戻るアニメーションの滑らかさなど、世界観を意識して細部まで作り込みました。

今井:アイコンの配置などの微調整にも真摯で、デザイナーの方がその場で即座にビジュアル化してくれるスピード感には驚きました。

中村:ご要望の鮮度を重視しているので、リアルタイムな対話を意識しています。言葉では伝わりきらないニュアンスも多いため、すぐにデザインへ落とし込んで、視覚的な共通言語を作るよう心掛けました。

今井:3ヵ月の要件定義を経て見えてきた“最適解”は、「多ブランド・多カテゴリ・多文脈を、ユーザーの文脈に合わせて自然に切り替わる体験として共存させること」でした。ブランドの世界観を壊さず、でもブランドの壁を越えた新しい出会いも生まれる。目的買いの方には最短距離で、世界観を楽しみたい方にはその温度のままで。その“揺らぎのない世界観”と“揺らぎのある発見”を両立させたことが、今回のリプレイスで導いた最適解だと思っています。

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この記事の著者

岡田 果子(オカダ カコ)

IT系編集者、ライター。趣味・実用書の編集を経てWebメディアへ。その後キャリアインタビューなどのライティング業務を開始。執筆可能ジャンルは、開発手法・組織、プロダクト作り、教育ICT、その他ビジネス。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:株式会社CORIN

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2026/07/15 12:00 https://markezine.jp/article/detail/50839

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