コストが安いことから導入のハードルが低いメールマーケティングですが、実はリスクも潜んでいます。知らずにいるとせっかく築きあげたブランドを傷つける可能性もあります。ここではメールマーケティングのリスクについて説明します(この記事は『オンライン・マーケティング&ネット広告 HANDBOOK』から転載しています)。
メールで嫌われる?
メールマーケティングは、親しみやすい文章でユーザーとのコミュニケーションを図るので、バーチャルな接客といえます。
リアルな世界のショップや飲食店の店員を思い浮かべてください。口の利き方や、振る舞い、礼儀作法などで気分を害した覚えはありませんか? 商品を売りたい姿勢丸出しで、繰り返しメールを送り続けていると、メールが読まれなくなるだけではなく、そのブランドあるいは会社そのものに対してネガティブな感情を生み出してしまう事もあるのです。
しかし、送信元から見れば、単に「興味がなくて」メールを開かないユーザーと、「ネガティブな感情を抱いている」からメールを消しているユーザーとの区別は全くつきません。
パーミッションマーケティングとは
メールマーケティングでは、パーミッションマーケティングという考え方がとても重要です。
パーミッションマーケティングとは、あらかじめ承諾を得て個人情報を取得し、その個人情報をデータ分析してプロモーションを行うことです。アンケートの際に「商品情報をメールで送ってもいいですか?」などと明確に情報発信の許諾を得ているので、レスポンス率が比較的高く、ユーザーにとっても強引さを感じさせないという長所があります。

オプト・インとオプト・アウト
メールマーケティングにおいて「商品に関するメールを受け取ります」とユーザーが承諾することを『オプト・イン』といいます。
この反意語に『オプト・アウト』があります。これには2つの意味があり、なんらかの方法で個人情報を得たユーザーにメールを送りつけ、「このメールが不要な方は、このメールに返信してください」など、積極的に受け取りを否定しなければ合意とみなす、「みなし承諾」の方法です。この方法は、ユーザーに強引なイメージを受けさせるので、見込み客と良い関係を構築する上ではあまり良い方法とはいえませんでした。そのため、2008年12月1日に「特定電子メール法」(特電法)が改正施行され、メール配信者は、必ず受信者からオプト・イン方式で承諾を得ることが義務付けられました。
もうひとつの意味は、オプト・インしたメール、あるいは何らかのリレーションに基づいて配信を受けていたメール(例えば過去にオンラインショッピングをしたことがある、など)をユーザーの希望に基づき配信停止にすることです。このオプト・アウトの手続きはできるだけ簡潔化することが重要です。
企業が送信するダイレクトメールの中には、配信解除方法の明示がなかったり、配信解除に複雑な手続きを課したりなど、ユーザーにストレスを感じさせ、結果として嫌われてしまうケースもしばしばあります。
オプト・インとは?
- ユーザーが自ら希望して、メールの配信に対して同意や許諾を出す手続き。
オプト・アウトとは?
- ウェブサイトの資料請求などのページで、「役立つ情報を送信します。受け取りたくない場合はチェックボタンをクリックしてください」というような、積極的に否定しなければ合意とみなす、という「みなし承諾」の方法
- 何らかのリレーションに元づいて配信を受けていたメール(例えば過去に1度だけショッピングをしたことがある、など)を配信停止にする手続き
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大山 忍(オオヤマ シノブ)
米国大学卒業。外資系企業を経て2000年にネット広告効果測定ツールを提供するベンチャーに創業メンバーとして参画。その後、バリューコマース株式会社と合併し、アフィリエイトシステムの開発企画やマーケティングマネージャーを務める。
2007年1月にオムニチュア株式会社(現Adobe)に参加、コンサルティングサービスを立ち上げる。ビジネスコンサルタントとして米国のベストプラクティスを日本の課題やニーズに合わせて提供、ウェブ解析やガバナンス(データ主導の組織・仕組化)...
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