美容サロンが「ご自愛時間」の場になりやすい理由
コロナ以降、「ご自愛」という言葉が広く使われるようになりました。もともとは体調を気遣う言葉ですが、今では「自分を大切にすること」「自分を労わること」といった意味でも使われています。
なぜ美容サロンは「ご自愛時間」の場になりやすいのでしょうか。その理由の1つが、「人」の存在です。OZmallのヘアサロン予約データ(※3)では、美容師の指名率は2010年の25.8%から2026年には64.5%へと約2.5倍に上昇しています。
(※3)出典元:OZmallヘアサロン予約データ「全予約に対する指名予約比率の推移」(2010年1月~2026年6月)
これは、利用者が「誰に施術してもらうか」という体験そのものを重視するようになっていることを示すデータとも考えられます。技術力だけであれば、その都度条件に合う美容師を選ぶという選択もできます。それでも指名予約が増えている背景には、「安心して任せられる」「自分を理解してくれる」という継続的な信頼関係への価値があると考えられます。ユーザーが求めているのは、単に髪を切ることやネイルを施すことだけではありません。誰に任せるか、どんな時間を過ごすかまで含めて、美容体験になり、安心して自分を預けられる時間が生まれる。これも美容が内面にまで作用する理由の1つです。
約2万件の口コミが語る、美容サロンの本当の満足要因
その傾向は、実際に寄せられた口コミからも見えてきます。OZmallに投稿された20,891件の口コミを分析すると、最も多かったのは「技術・仕上がり」に関する評価でした。しかし、注目すべきは、その多くの口コミが技術への評価のみで終わっていないことです。
「安心して任せられた」「丁寧に相談に乗ってくれた」「自分に合った提案をしてくれた」といった安心・提案・接客に関するコメントが続き、「リラックスできた」「癒された」「前向きな気持ちになれた」といった感情面の価値についても数多く語られていました(※4)。
(※4)出典元:OZmallヘアサロン予約来店後口コミデータ「全口コミに対するAIによる満足体験の分類」(2025年7月~2026年6月/1件の口コミが複数カテゴリに該当するため、合計は100%を超える)
実際に分析すると、約半数の口コミに「安心・信頼」「癒し」「相談・対話」といった施術以外の価値が含まれていました。技術だけで満足が決まるのであれば、口コミは仕上がりだけで終わるはずです。しかし実際には、ユーザーはその過程で感じた安心感や対話、気持ちの変化までを書き残していました。つまりユーザーが評価しているのは、髪型やネイルの仕上がりだけではありません。美容師やセラピストとの対話を通じて安心感を得たり、自分の状態を見つめ直したりする時間も、美容体験を構成する重要な価値になっています。
美容サービスが「ご自愛時間」になりやすい理由は、施術中に美容のプロと対話し、自分の悩みや希望を言葉にする時間が自然と生まれるから。ユーザーは施術の結果だけではなく、その過程で得られる安心感や対話まで含めて美容体験として評価しています。
