リード数1.7倍へ 単純化ではなく「本質」を引き出す方法
──リード数1.7倍という成果につながった、メッセージの再定義はどのように進めたのですか。
顧客が買う理由を調査するためにまずは現場に足を運びました。お客様の声は様々ですが、「買った理由を1つだけ選ぶとしたらどこか?」とたずねることで、本質的に解決したかったものが見えてきます。それが「GO BUSINESS」の場合は、「これまでの経費精算から脱却し、請求書払いができる」という点でした。実際にその訴求に絞って施策を打つとリード数を含めて大きく成果が出たため、これでいこうと確信を持てたのです。
──社内でそのメッセージを浸透させる過程で工夫したことはありますか。
「買った理由を1つだけ聞く」ことに、本質はすべて詰まっていると思っています。単純化ではなく、本質を聞く。この問いは、お客様へのインタビューだけでなく社内でも投げかけていました。
というのも、「『GO BUSINESS』が何のサービスか、ひと言で言ってください」と聞くと、メンバーによって言葉がバラバラで、共通言語が存在していなかったんです。みんなが同じ絵を見ていない状態だった。

意識したのは、すぐに答えを渡すのではなく自分たちで考えてもらうプロセスを大事にすること。私自身はすでに「これじゃないか」というアイデアを持っていましたが、渡し方はフェーズや組織の状態によって変える必要があります。当時は既存の組織に私が参画した形だったため、信頼醸成のためにも一緒に検討するというプロセスを重視しました。
「顧客に求められるもの」を突き詰めるバーチャルチーム
──訴求メッセージや戦略を変更する過程で、組織改革にまで至ったとうかがっています。
顧客というミクロの視点と、マーケットというマクロの視点を行き来しながら考えました。BtoBマーケティングでは、エンタープライズとSMBなど、顧客企業の従業員数で組織を切り分けがちですが、「GO BUSINESS」の場合は、「働き方」つまり業界ごとに利用方法が違うことがわかってきました。
たとえば、コンサルティングファームでは人数が多くなくてもタクシーがよく使われますし、空港系の企業では出退勤に公共交通機関が使えない時間帯があるため利用が多い。
業界ごとに求められる機能が変わるので、セールス組織は業界ごとに分けています。それに加えて、セールスと共に顧客を見ながら、実際の使われ方や改善点を掘り下げる「事業企画」という役割を置いています。
──マーケティングはどのようにかかわっているのでしょうか。
法人マーケティンググループ(インサイドセールス組織を含む)はこの業界ごとのチームの隣で、横断的に施策を展開しています。加えて、PdMや開発チームも一緒に現場に入り、顧客に求められているものを素早く形にしています。厳密に言うと開発側のチームは違う本部に属していますが、同じサービスを伸ばす「バーチャルチーム」として本部を横断して協力し合う体制です。

