125%成長! 高価格帯成功の秘密とは
――伺った戦略のもとで2025年秋にライオンのハミガキとして最高価格の「デントヘルス DX プレミアム」を発売されていますが、手応えはいかがですか。
遠矢: 「高機能な予防ハミガキ」としての価値を機能面、パッケージ面、そしてコミュニケーションから構築していった結果、価値が伝わったと感じています。 3桁ユーザーからの流入が確認できており、「デントヘルス」全体としても前年比で125%超の成長を継続しています。予防ニーズや、より良いものを使いたいという方に受け入れていただけたと考えています。
――他の高価格帯商品と差別化し、選ばれるブランドにするためにマーケターには何が求められていると思いますか?
遠矢: 高価格帯商品においては、多様なブランドが医薬部外品の範囲内で成分をなるべく多く配合していく方針をとり、良いものを作ろうと努めています。薬事制約もある商品ですが、お客様に「私の商品」だと思っていただけるようなポイントをどう作っていくのかが、我々に求められているミッションです。どのような価値を作り上げればお客様に受け入れられるのか? への回答の精緻化が、マーケティングチームに特に問われていると感じています。
「歯ぐきの修復力」で捉えた顧客インサイト
――ユーザーに「自分のものだ」と思ってもらうために、具体的にはどのような生活者インサイトを把握し、アプローチされたのでしょうか。
遠矢:「デントヘルス」がメインユーザーとして想定しているのは、これから先のお口の健康に対して不安を感じていらっしゃる方々です。調査などでさらに細かいインサイトを見ていくと、「お口の炎症が度々気になる」という悩みがお客様の中で根強いことがわかりました。
歯ぐきの炎症は免疫力が下がったタイミングで出てきてしまいます。一旦落ち着いても疲れたり、ケアが不十分だったりしたタイミングで気になる方も多いです。特に近年は客観的に自分の口内状態を把握されている方が増えています。歯医者から「気を付けていきましょう」と言われてしまうこともあり、これから先のお口の健康について悩まれている方が多いのです。
――「これから先のお口の悩み」に対して、どのように訴求を落とし込んだのですか?
遠矢: 今回、特に強化したのが「歯ぐきの修復力を向上させる」という訴求です。歯ぐきの健康が気になる方に向けて、この商品が持つ「組織修復」の機能について、「歯ぐきの修復する力がアップする」という訴求に落とし込んだことで、商品に魅力を感じていただけたのではないかと考えています。
商品の裏側には当社の開発力と技術力がありますが、技術仕様をそのまま語るのではなく、 「どう表現すればこの価値がお客様のお悩みに直接響くか 」という視点で検証を重ねました。 お客様の反応を丁寧にお伺いするプロセスを経て辿り着いたのが「修復力」という言葉です。
また、漫然としたお口の健康不安に対して、「デントヘルスに任せれば、きちんとケアできそうだ」と感じていただけるような機能に加え、そこを信じられる強さや信頼感はパッケージでもしっかり表現していく必要がありました。店頭で「これなら私の不安を解消してくれるのではないか」という期待感を持っていただくため、試行錯誤の末に今回のパッケージに行き着きました。
