Threadsフィード広告特有の強みは?定量的に可視化
──博報堂DYグループの視点から、Meta広告のThreadsフィード配置における配信傾向や、他配置面と比較して見えてきた定量的成果をお聞かせください。
2021年にデジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社(現・Hakuhodo DY ONE)に入社。自動車・化粧品などのメーカーや、官公庁関連など幅広いクライアントのSNS運用コンサルティングを担当し、現在はSNSを中心としたブランディング広告の研究開発に従事。
髙野:私の所属するR&D(研究開発)部門では、社内データをもとに各プラットフォームを様々な角度から分析し、新たなナレッジの創出に取り組んでおり、Threadsについても傾向を継続的に分析してきました。今回はリーチ最適化とコンバージョン最適化の2つの観点から分析結果を紹介します。
博報堂DYグループ内のデータで分析した結果、まず共通する傾向として、Threadsフィード面のインプレッション量は全体の10〜15%程度であり、Metaの他の配置面(InstagramやFacebookなど)の平均と比較してCPMが低くなる傾向が見られました(※2)。
最適化別に見ると、リーチ最適化においてはCPMが他の配置面より約30%低くなる傾向が見られました。また、最適化には直接関係しませんが、投稿の保存・コメント・3秒以上の動画再生・リンククリックなどを含む「投稿エンゲージメント」指標についても、獲得単価が低い傾向が見られました。特にリンククリックや3秒以上の動画再生を効果的に獲得できており、これがエンゲージメント単価を押し下げている一因と考えています。
髙野:コンバージョン最適化については、Meta内の他配置面ではリーチ最適化時と比べてCPMが大きく上昇する傾向がある一方、Threadsは緩やかな上昇にとどまるため、結果として他の配置面よりもCPMが大幅に低くなる傾向があります。CVR自体は他の配置面と大きな差が見られなかったものの、CPMが低いため、CPAも低くなる傾向があり、中には他の配置面と比較して最大70%低くなるケースも確認されています(※2)。Threadsのテキスト中心・会話中心という特性を踏まえ、後述する「コンバージョンにつながりやすい情報」をテキストに盛り込むことで、さらなるCVR向上の余地もあるでしょう。
2つの最適化の分析結果をまとめると、Threadsへの広告配信は、現時点では一定のボリュームに限られるものの、CPMを低く抑えられる傾向にあります。また、Meta社においても複数の配置面設定が推奨されているため、こうした配置の1つとしてThreadsを組み込むことで、全体のパフォーマンス向上が見込めるのではないかと考えています。
※2 出典:博報堂DYグループの広告運用実績に基づく統計データ (2025年6月21日-2026年7月15日)
ユーザーの手を止めるには?発話を生むテーマ選定
──Metaの河村さんにうかがいます。Threadsのアルゴリズムにおいて、ブランドにとっては、どのような工夫があると良いでしょうか。
河村:大きく2つのポイントがあると思います。
1つ目は、冒頭で手を止めてもらうことです。Threadsはテキストを中心としたプラットフォームなので、特に最初の1〜2行が重要です。フィードを見ている中で、最初の瞬間に「これ、ちょっと気になる」「続きを読んでみたい」と思ってもらえなければ、そのままスクロールされてしまいます。
そのため、伝えたい情報をいきなり説明し始めるのではなく、生活者が共感できる問いかけや、ちょっとした気づきから入ってみる。そうすることで、「自分のことかもしれない」と感じてもらいやすくなり、投稿を読み進めてもらうきっかけになります。
2つ目は、返信したくなる余白をつくることです。Threadsでは、投稿して終わりではなく、その後にどれだけ会話が生まれるかも重要です。たとえば、意見を聞いてみたり、ユーザー自身の体験を聞いてみたり、いくつかの選択肢を提示してみたり。そうした「あなたはどう思いますか?」と自然に参加できる余白をつくることで、返信が生まれやすくなります。
Threadsでは、「何を投稿するか」だけでなく、どうすればその投稿を起点に会話が続いていくかまで考えることが、ブランド活用のポイントだと思います。

