「静止画×テキスト」でThreads面の最適配信をつかみとる
━━Threads広告の勝ちパターンを構築する上で、どのような壁があり、それをどう突破したのでしょうか。
栗田:最大の障壁は、「現在の仕様では自動最適化が主で、Threadsだけに絞って広告配信をする設定が存在しない」というプラットフォーム上の制約でした。通常の運用で多く使われるショート動画を配信しても、自動最適化によってほとんどがInstagram面に寄ってしまい、Threads面に露出しないという問題に直面したのです。
そこで「どうすればThreads面に配信が寄るか」を仮説検証しました。突破口となったのは、ショート動画ではなく「静止画×テキスト」のフォーマットに切り替え、プレースメントを「Instagramのフィード」と「Threadsのフィード」に限定したアプローチです。Threadsの画角やテキスト文化に最適化させたクリエイティブを投入したことで、配信ボリューム全体の約25〜30%をThreads面に寄せることができるようになりました。
━━ダイレクトレスポンス目的での出稿において、配信アルゴリズムの挙動などから見えてきた気づきはありますか。
栗田:Threadsを配信対象(プレースメント)に含めるかどうかのA/Bテストを行った際、非常に面白いデータが得られました。
消化金額自体はThreads面が全体の一部にとどまっていても、「Threadsを選択肢に含めたキャンペーン」の方が、含めない場合よりも明らかにCPAが低く、CVRが高くなったのです。つまり、Threads面単体での直接獲得だけでなく、配信面にThreadsを加えることでMetaの機械学習アルゴリズム全体の最適化の幅が広がり、パフォーマンス向上に寄与しているという事実が判明しました。
現時点では、直接指定配信ができない制約を逆手に取り、AD(広告)はInstagramとのハイブリッド設計、インフルエンサー投稿はThreads特有の文化に寄せたフォーマットというように、役割を戦略的に切り分けて検証を進めています。
CPA15.6%削減、単一投稿で数十件獲得!最前線で見えた定量成果
━━一連の運用検証によって得られた、定量的な成果や手応えについて教えてください。
栗田:まずリーチ面では、全体の約30〜40%が「インクリメンタルリーチ(純増したオーディエンスへのリーチ)」という結果が出ています。既存の広告運用では同じユーザーに何度も露出して摩耗してしまう課題がありますが、CPMが安価なThreadsを活用することで明確に新規顧客層を拡張できています。
そして獲得単価(CPA)においては、Threadsを配信面に含めた通常配信が、除外した配信と比較してCPA約15.6%低減という優れた数値を実証できました。獲得件数(CV数)自体もThreads含みのアカウントが上回っており、パフォーマンス改善への貢献を確信しています。
西川:インクリメンタルリーチやCPMの安さに関してはMeta側のグローバル検証データとも合致していますが、ナハト様の実績はプラットフォーム全体の平均値と比べても非常に高い水準です。アルゴリズムの特性を捉え、再現性高く成果を出されていると感じます。
━━象徴的な成功事例や獲得に直結したパターンがあればご紹介いただけますか。
栗田:2つの事例があります。1つ目は全国展開する店舗チェーン様の広告運用案件で、「静止画×Threadsフィード」に配信を寄せた結果、コンバージョンが継続発生し、広告消化金額の実に3分の1がThreads経由で消化される着実な成果を上げました。
2つ目は、某飲料ブランドにおけるインフルエンサー(クリエイター)起用施策です。直近のThreads投稿で数十万表示のバズを記録していたクリエイターをアサインし、Threadsの対話文化に合わせたPR投稿を実施しました。その結果、投稿からわずか12時間ほどで定期購入が数十件獲得できるという実績を叩き出しました。
「なんとなく投稿する」のではなく、「バズっている投稿の熱量を狙って獲得に転換させる」という、ダイレクト施策としてのThreads活用に大きな手応えを得た瞬間でしたね。

