部署・グループ企業を超えた対話で見えた、根底にある“文化”
MZ:具体的には、どのような取り組みから始めたのですか。
斎藤(富士急行):当初、実行委員会でプロジェクトのアイデアを募ったのですが、非常にたくさん集まったため、その整理や全体のコンセプト作りが課題となっていました。
そこで、まずは部署・グループ企業横断型のワークショップを開催してもらいました。FICCさんのワークショップで印象的だったのは、懇親会をセットで行ったことです。普段は交流の機会が少ない、様々な部署や年齢、役職の社員が垣根を超えて気軽に話す場を設けることで、社内の一体感を醸成できました。
また、ワークショップを重ねるにつれて意見も増えていきましたが、FICCさんのサポートのもと常に「目的は何か」と原点を振り返りながら逐次軌道修正をしていきました。その積み重ねによって、プロジェクトを通じて伝えたい軸を社内で共有できたと思います。
森(FICC):ワークショップの後に「部署や企業が違っても、根底にあるものは同じだ」という声が上がったのが印象的でしたね。グループ全体で大切にされている“文化”が根付いているのだと思います。
社員の心の奥底にある“想い”の引き出し方と、ワークショップを「やって終わり」にしない工夫
MZ:ワークショップを行っても、アイデアの具現化まで至ることはなかなか難しいです。どういったことを重視したのですか。
田崎(FICC):私たちが支援に入る前から施策のアイデアはたくさんあったものの、“傘”となる大きなコンセプトがまだ確立していませんでした。そのため、全体のコンセプトを固めた上で事業アイデアを組み立てる設計にすることがポイントでした。大きな絵図を描きながら、各施策の具体化も並行する形で実現可能性などを検討していきました。
また、富士急グループさんが2024年に作られた新タグライン「わくわくの最高峰へ」をさらに社内で浸透させる必要性も感じていました。そのためワークショップでは参加者自身の喜びや感動のエピソードを話してもらうことで、自身の仕事との共通項を見出していただき、新タグラインの咀嚼やブランド理解を深めながら「自分ごと化」を促しました。これにより、「次の100年に向けて新しい“わくわく”をつくっていく」という事業の方向性を固めました。
企業やブランド、地域自治体などを対象に、ブランディングを一気通貫で支援。今回のプロジェクトでは全体のリードを務めている。
田崎(FICC):ワークショップは、普段の会議では話さないようなことも自由に言える場としました。そこで話してもらった一人ひとりの「富士急にまつわるエピソード」は、どれも感動的でした。皆さまはグループの社員であると同時に、地域で暮らす生活者でもあることを改めて感じました。
斎藤(富士急行):「バスに乗る」という日常的な行動ひとつとっても、住んでいる地域や年齢によって、それぞれの思い出があります。ワークショップを通じて、普段は意識していない、心の奥底にある社員一人ひとりの想いを引き出し言語化してもらいました。
田崎(FICC):大切なのは、100周年記念事業は一過性のものではなく、次の時代に残っていくものだという共通認識を持つことです。そのため、多様なステークホルダーの視点を踏まえて、どのような体験を提供できるかを設計することが重要です。

