グループ内のアセット統合で大きく進化、イオンのリテールメディアの「現在地」
MZ:前回取材時、イオンのリテールメディアは、グループ事業会社との調整を進め、統合・標準化の基盤を整えている段階でした。あれから1年、現状はどこまで進んでいますか?
赤坂:主要事業会社の多くと協業契約の締結が完了し、各社が保有するデータやメディア、チャネルといったアセットを横断的に活用できる基盤が整いました。これにより、従来の単なる「広告枠の販売」から「本格的なマーケティング提案」へと、提案の質が大きく進化しています。
たとえば、以前は「このアプリや媒体を使えば、これくらいリーチできますよ」といった、メディア側(売り手)起点の提案が中心でした。それが活用可能な購買データが広がったことで、「こういう新商品に対して、関心を持ちそうなお客さまがこれだけいる。その対象にどうアプローチするか」というように、「お客さま(顧客)」を主語にした最適な施策を考えられるようになってきています。ターゲット層のボリューム感や購買文脈を踏まえて提案できるため、メーカーの広告宣伝部の方にも深く納得していただけるようになり、前向きにご検討いただけるケースが格段に増えましたね。
イオンが「ARUTANA」を正式採択した3つの理由と、SSP「fluct」連携の利点
MZ:もう一点、1年前はPoCで「ARUTANA」を試験導入している段階でしたが、本格導入されたそうですね。決め手は何だったのでしょうか?
ARUTANA(アルタナ)とは
MAU約5,000万人、50以上のリテール公式アプリに横断で広告配信可能なアドプラットフォーム

赤坂:シミュレーションを上回る収益実績が出たことはもちろんですが、1年間運用してみて感じた大きな理由が3つあります。
1つ目は、運用コストの大幅な削減です。イオングループには多数の事業会社アプリが存在し、個別に保守運用や調整を行うと膨大な工数がかかります。複数のアプリを束ねて横断配信できる「ARUTANA」のようなネットワーク型なら、一括管理が可能です。
2つ目は、システム連携の容易さです。「ARUTANA」はグループ内の主要アプリですでに導入実績があり、広いカバー率(カバレッジ)を誇ります。そのため、別のシステムを1から構築・導入するよりも、初期開発や連携が圧倒的にスムーズでした。
3つ目は、ガバナンスの一元化です。これまではアプリごとに掲載ルールを策定・変更し、その内容をお客さまへ周知する必要があり、運用面でも大きな負担がありました。これをグループ横断で統合管理することで、ルールの統一や変更対応を効率化できる点も、大きなメリットだと考えています。
MZ:「ARUTANA」は、ドコモグループのSSP「fluct」との連携も進むと聞きます。どのような効果を期待されていますか?
赤坂:広告枠のさらなる稼働率向上と収益最大化に期待しています。豊富な広告主ネットワークを持つ「fluct」と連携することで、自動的に空き枠を埋める「セルフサーブ(全自動)」配信が可能になります。これまで通り、店頭の棚割りや配荷と連動する高度な「マネージド(手売り)」提案で価値を高めつつ、残りの枠は「セルフサーブ(全自動)」で有効活用する。このハイブリッドな運用で事業成長のアクセルを踏んでいきたいですね。現在はイオン・DearOne・fluctの3社で協議を重ね、最適な形を追求している最中です。
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安光 あずみ(ヤスミツ アズミ)
Web広告代理店で7年間、営業や広告ディレクターを経験し、タイアップ広告の企画やLP・バナー制作等に携わる。2024年に独立し、フリーライターへ転身。企業へのインタビュー記事から、体験レポート、SEO記事まで幅広く執筆。「ぼっちのazumiさん」名義でもnoteなどで発信中。ひとり旅が趣味。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
提供:株式会社DearOne
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