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MarkeZine Day 2026 Autumn

「検索」から「文脈理解」へ。OpenAIが語る、AIエージェント時代のマーケティング変革の全貌

MarkeZine編集部[著]

広告の先にある顧客体験もアップデートが不可欠に

 AIを通じて生活者の情報収集行動が「検索」から「相談」へと変化する中、広告を経由して自社サービスに到達した後の顧客体験もまた、従来の枠組みを超えた進化が必要とされている。対話型AIに日常的に触れている顧客に対して、情報を自ら探させ、比較させ、問い合わせの回答を待たせるといった従来型のWeb体験を提供し続けることは、エンゲージメントの低下を招きかねない。

 そこで重要となるのが、音声や画像といったマルチモーダルなインターフェースをAPI経由で自社サービスに組み込み、直感的かつパーソナライズされた体験を構築することである。とりわけ音声認識と生成技術の向上は、顧客と企業のコミュニケーションの質を変容させている。従来の音声対話では、システムと人間が交互に話す「順番待ち」の制約があったが、最新のモデルでは会話の間や相づちを挟みながら同時に話すような、極めて人間に近い自然なコミュニケーションが可能となっている。

 セッションでは実際に水嶋氏自身が手元のスマートフォンでデモンストレーションを実施。AIに対して「ごめん、ちょっと待って」と途中で発言を遮り、別の文脈を与えてもAIは即座に順応してみせ、対応力と柔軟性の高さを示した。

 さらに、画像生成や認識技術の進化も、顧客の意思決定を強力に後押しする。たとえば、アパレル商材において顧客のパーソナルカラーに合わせた色の組み合わせを視覚的に見比べさせたり、複雑な世界観を日本語のセリフを含む漫画表現で直感的に伝えたりすることが可能となる。このような視覚的なサポートは、顧客の目的や条件を対話で整理し、具体的な解決策へと導くアドバイザーとしての役割を果たす。

 「マーケターの皆さんには、進化する技術をキャッチアップする中で、『自社の顧客体験やコミュニケーションの中にこれらのAI技術をどう組み込むか』という独自のクリエイティビティを発揮していただきたいと考えています」(水嶋氏)

 水嶋氏が語るように、AIの真価は、その推論能力やマルチモーダルな機能を自社のビジネスドメインと結合させ、顧客の期待に応えながら目的達成をいかにスムーズに支援できるかにあるのだ。

企画から実装まで完結!AIエージェントが拡張するマーケターの働き方

 企業と顧客の関わり方が根本的に変化する中で、優れた顧客体験を迅速かつ継続的に提供するためには、マーケター自身の働き方や業務プロセスも抜本的に見直す必要がある。従来のマーケティング業務は、顧客の意図を調べ、企画書を作成し、外部の制作会社や社内の別部門に実装を依頼して、完成を待って修正指示を出す「分業とリレー形式」が前提であった。

 しかし、自律的にタスクを遂行するAIエージェントの台頭により、マーケターは企画の構想から具体的な成果物の実装、さらには改善に至るまでを、自身のコントロール下で高速に進めることが可能になりつつある。

 実際に、OpenAIが提供するプログラミングや実装支援AIであるCodexは、OpenAIが8月に公表したデータによると、企業顧客のマーケティング職における週間アクティブユーザー数が2月以降26倍に増加。この事実からも、マーケターが「壁打ち相手」ではなく「作業・業務の実行者」としてAIを活用し始めている潮流がうかがえる。

 例として、ターゲットに向けたメール施策を行う場合、従来のようにテキストで文案を指示するだけではない。AIエージェントにアプリの活用例を伝えるメールの作成を依頼し、それを外部ツールのレイアウトに流し込んだ完成形の成果物を何パターンも自動生成させるといったことが可能となっている。これにより、関係者間のレビューを抽象的な企画書ではなく、具体的なプロトタイプをもとに進めることができるのだ。

 さらに、Webサイトの構築においてもAIの進化は著しい。構想段階の企画書や指示を読み込ませるだけで自律的にコーディングを行い、操作可能で動的なWebサイトのプロトタイプを瞬時に作り上げる技術が既に実用化されている。

 施策実行後も、クリック率や定性的な顧客の声をAIが分析し、改善仮説の立案からメールやサイトへの反映までを高速で回すことができる。マーケターは手を動かしてツールを操作する時間から解放され、生成された成果物を確認し、最終的な公開判断とディレクション業務へと役割をシフトさせていくことになる。

 「顧客獲得から体験の実現、それらを実現するプロセスやマーケターの働き方まで、包括的にマーケターの皆さんを今後も支えてまいります」と、水嶋氏はまとめた。

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AIとマーケターの協働による、さらなる最適化の時代へ

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

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