WHO/WHAT戦略とCEP戦略は対立しない
セッション後半、田岡氏は従来のマーケティング戦略とCEPをどう整理するかという問いに答える形で話を進めた。1つ目の論点は、従来のWHO/WHAT/HOWの考え方とCEPの関係だ。田岡氏自身も長くWHO/WHATで思考してきたが、結論、「どちらも大事で、役割が違う」と話す。
たとえば1つの整理として、WHO/WHATの考え方は「ブランドを訴求し、想起全体を高める(Foundation)」の役割、CEPの考え方は「CEPとブランドの独自資産(DBA)を強く結びつけ、CEP想起から購買につなげる(Momentum)」の役割を担う。ブランドの立ち上げ当初はWHO/WHATを認識しながら、成長段階であらゆるCEPとブランドの紐づけを広げていくという整理もできる。
「WHO/WHATの考え方とCEPの考え方は、視点や役割が異なるが、ブランド成長においては両方が重要だというのが、私の実感です」(田岡氏)
CEPはCRMにも使えるか?「線」から「面」の勝ち筋発掘へ
2つ目の論点は、CEPの考え方をCRMでも活用できるか、というものだ。田岡氏は、現在いくつかの企業と実証実験を始めている段階だと断ったうえで、仮説を共有した。
従来のCRMは、リストにいる顧客をいかに離脱させず、アップセル・クロスセルにつなげるかが中心だった。顧客理解が大事だと言いつつ、実際には画一的なアプローチを当て続けてきたのではないか。田岡氏はこれを"線的"と呼ぶ。CEP起点のCRMは"面的"に捉えられるのではないか、という。
「あるエントリーポイントで入ってきたお客様も、別のエントリーポイントでその商品を思い出したり、購入したりする。だからこそ、既存顧客のCEPを理解しながら、幅広い提案をしていくことが重要なのではないかと考えています」(田岡氏)
つまり、「CEP×コンセプト」の勝ち筋を、プロダクトを横断して連続的に発掘し、購入や利用の入口そのものを増やす。その結果として、さまざまなCEPで自社商品群を想起して買ってもらう状態をつくることが、既存顧客からの売上最大化につながるのではないか、という仮説だ。検証はこれからで、成果は「また発表する機会があれば共有したい」と田岡氏は述べた。
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落合 真彩(オチアイ マアヤ)
教育系企業を経て、2016年よりフリーランスのライターに。Webメディアから紙書籍まで媒体問わず、マーケティング、広報、テクノロジー、経営者インタビューなど、ビジネス領域を中心に幅広く執筆。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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