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MarkeZine Day 2026 Autumn

「どんな認知がほしいか」を自社で定義する。コラントッテ、Tuissに学ぶデジタル認知施策のKPI設計

岡田 果子[著] / 川口 紘[写] / MarkeZine編集部[編]

Tuiss:「どんな認知がほしいか」を定義し、獲得と認知の「二兎を追う」

欲しい認知を定義し、KPIから出稿額まで逆算する

 ここからは、それぞれのデジタル認知施策の詳細が語られた。まずTuissの虻川氏が挙げたのは、施策に入る前に自社で意思決定すべきポイントだ。媒体の仕様や他社事例に関する知見も欠かせないが、虻川氏は「どんな認知がほしいのかを社内で定義する」ことが重要だと語る。自社の事業目標に照らした望ましい認知は、自社でしか決められないからだ。

「Tuissの場合、窓周りの商品を買う際に『チェーンの家具店でカーテンを買おう』と考える一般的な消費者に対して、まずは『カーテンではなくブラインドが欲しい』と思ってもらうこと。そして『ブラインドを買うならTuissというブランド』とまで想起される状態(カテゴリーの早期想起)を理想の認知として定義しました」(虻川氏)

Tuissが定義した「欲しい認知」のステップ(登壇資料より)

 誰もが日常的に買う商材ではなく交換需要が中心だからこそ、こうしたピンポイントな想起を目標に据えることが理にかなっているという。

 この定義から、KPIは3段構えで設計している。クリッカブルな媒体(SNS・YouTube)は、チャネル別ROASで効果を測り、投資金額をコントロールする。そのうえで、トップファネルの成果を測るチャネル横断のサブKPIとして「ブランドキーワードの検索ボリューム」を追い続け、媒体費と制作費の総コストに対し、ブランドキーワード経由の売上増加で回収できているか、費用対効果を確認する。プレイヤー視点では日々の検索ボリュームの推移を細かく追い、マネジメント視点では、グローバル本社から常に問われる売上への寄与を評価する。

Tuissが重視する認知施策とKPI(登壇資料より)

 出稿額は、ブランドキーワード経由の目標売上から逆算する。目標購入回数に到達するよう、ブランドキーワード経由のサイト流入数、目標クエリ数を計算していき、目標インプレッション数と媒体の想定CPMをもとに、想定出稿金額を決める。

「二兎を追う」動画広告と、1年間の成果

 重視する認知施策は、Instagramでのインフルエンサーとのコラボレーション、動画広告、コネクテッドTV(CTV)の3つだ。中でも動画広告は、自社で制作したアセットをYouTubeなどで運用型として配信しており、3施策の中で最も投資規模が大きい。CTVは今年から投資を始め、ノンクリッカブルでCPM課金の形で出稿している。

 虻川氏は、動画広告の戦略を「認知を取りながら、あわよくば購買も狙いたいという二兎を追う戦略」と表現する。クリッカブルな運用型動画広告として、目標ROASを設定しながら配信している。

 動画広告の最大のメリットに挙げるのが、「訴求のパッケージ化」だ。お客様の声やインフルエンサーの人気の投稿に基づいた商品の訴求ポイントを、1つの動画で端的に伝えられる。このほか、全員が買う商材ではないため年齢・性別・想定年収などで絞り込める「ターゲティングの容易性」と、知名度がまだ低いブランドだからこそしっかり見てもらいたいという「完全視聴単価の抑制」も利点だという。

Tuissが考える動画広告の意義(登壇資料より)

 制作にあたっては、まずインフルエンサーの投稿で反応の良い訴求を確認し、そのうえで30秒の動画にまとめた。ナレーションにはブランド名「Tuiss(チューイッシュ)」を繰り返し登場させ、読みづらい名前を覚えてもらう工夫も加えた。スキップできないノンスキッパブル媒体も活用している。

 直近1年で制作した動画を配信した結果、トップファネルからボトムファネルまでのあらゆる指標が短期間で向上した。ブランドキーワードの検索ボリュームと、指名検索リスティング広告のコンバージョンは大幅に増加。ブランドクエリと動画広告のリフト分ROASは利益が出る水準を確保し、リスティング広告やショッピング広告などの非ブランド広告のパフォーマンスも改善した。

 虻川氏は、成功の要因をこう振り返る。

「動画1つのクオリティにこだわりすぎるより、数を多く作って反応が良いものに絞っていくやり方が成功の要因でした。競合が少ない業界においては、認知施策が非常に重要なレバレッジになります」(虻川氏)

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コラントッテ:「助成想起獲得単価」を軸に、認知獲得の効率を検証

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この記事の著者

岡田 果子(オカダ カコ)

IT系編集者、ライター。趣味・実用書の編集を経てWebメディアへ。その後キャリアインタビューなどのライティング業務を開始。執筆可能ジャンルは、開発手法・組織、プロダクト作り、教育ICT、その他ビジネス。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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